. ページ25
.
「ちょ、りゅうせ、どうした?」
「うー、えぐっ⋯⋯うわぁあん⋯⋯」
どうしよう、わからない。
俺が抱っこしなかったからか、それてもキスしなかったからか。それともただ酔いが回りすぎなだけか。
俺の、せいかも。
その可能性が浮かんだ瞬間、謝らなきゃ、と思って流星に触れようとしたら、
「ごめん⋯⋯っ、」
かすかな声で、どういう訳か流星が謝罪の言葉を口にした。
「おれ、かわいくない⋯⋯ごめっ、じょ、くん」
⋯⋯かわいくないってなにそれ。
俺にとったら、この世界で1番かわいいのは流星なんだけど。
「⋯⋯どうした、流星、」
「だ、だいちゃ、」
膝を折って流星と目を合わせる。
俺のジャケットの袖をきつく握って、ぽろぽろと涙を零して。
原因は大吾?
「大ちゃんも、みんな、も、かわいっ、からぁ」
「⋯⋯どういうこと?」
「じょおくんが、おんなのこ、とか、っ、だいちゃ、とかのとこ行っちゃう、」
⋯⋯⋯⋯⋯⋯え?
「ごめん、じょおくん、おれ、かわいくない、っ、やって、だっこもちゅうも、したくない、やろ⋯」
⋯⋯なにそれ。
俺が流星を捨てて、他の人に行くって思ってたのか。
「じょおくん、おれのこと、すきや、ないかもやけどっ、おれは、っ、じょおくんのことすき、っん!」
流星のキャップを目深にしてかわいいことばかり言う流星の口を塞ぐ。
他の子のとこなんて、行くわけないのに。
だって、
「⋯⋯流星、好きやで」
こんな可愛い流星を置いて他の人のとこに行けるわけない。
流星以外と恋愛なんて、出来るわけない。
「かわいいよ。流星、だいすき。俺は流星やないとあかんねん。」
「ほんと⋯?」
「ほんと。ずっと大切やから」
真っ赤にした目を見つめて言うと
「おれも、丈くんやなきゃ、いやだ」
返事と短いキスが帰ってきた。
可愛くないなんて思ったこと1度もない。
「ちゅうしたし、かえろ?」
「⋯⋯ん、」
明るい通りを抜けたらだっこしてあげよう。
世界中敵にまわしても、
(あなたと眠る夢を見続けていたい、)
.
204人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲希@skrmc(プロフ) - 50話まで書き切りありがとうございました。更新してくださっている間、とても素敵な時間を過ごせたと思います。度々気になっていた最後の「()」。あれは歌詞だったのですね。また恋香さんの小説が作成され、機会があればまた読ませていただきます。 (2022年5月28日 0時) (レス) @page49 id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
rinu - 純愛でした♥ (2022年4月6日 0時) (レス) @page33 id: d47608d8bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:恋香 | 作成日時:2022年2月15日 16時