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「俺は流星のこともうなんとも思ってないで」


俺の冷たい言葉が俺と流星の空間をシーンとさせる。


「⋯⋯うん、分かっとる、ごめん」


目の前の流星は目に涙をいっぱいに溜めて、俺の前から消えた。

俺の事なんて嫌いになればいい、忘れてくれたらいいと思って並べたひどい言葉たちが俺を苦しめる。



俺は流星が好きで、流星も俺が好きでこんな奇跡もうおこらないのに。付き合って4年、流星と別れた。男同士、普通やないことはわかった上で流星を俺だけのものにしたくて付き合っていたけど、事務所の人にバレて別れるように指示された。

流星は入所してからずっとアイドルをしてきたのに、こんな所で、1番近くで見てきた俺が流星を壊す訳にはいかなかった。


別れよう、の言葉だけでは頷かなかった彼に俺はとどめをさしてしまった。




少し頭を冷やしてから、楽屋に戻ると流星ははっすんとソファに座って喋っていた。

そうやって、笑ってくれてたらいい。流星の笑った顔だけを見たいのに。もっと一緒にいたいのに、
目の前の流星は、笑っているのに泣いているように俺のは見えたから思わず抱きしめて、嘘、西畑は流星のことが好きやでと言いたくなった。



「⋯⋯大吾」

丈くんから呼ばれて我に返る。

「ん、?」

「無理せんとってな」


丈くんも、メンバーもどこまで俺たちのことを知っているのかは分からない。気を利かせて聞いてこないけど、俺たちが付き合っていたとまでは思わなくても恋愛感情を持っていたことは勘づいていると思う。


「大丈夫やで」

と応えても丈くんは少し複雑そうな顔やった。そして、流星の方に行って流星にも何か話しかけていた。



「⋯⋯大ちゃん」

丈くんから何を言ったのか分からないけど、少しかすれた声で、俺を呼ぶ流星。きっと泣いたあとだろう。長いまつ毛が水分を含んで瞬きする瞬間にかげができる。

「流星、」

俺は近づきそっと抱きしめる。流星も手を回すけど口では、

「もう、やめてーーー!」

なんて、いつも通り、俺からの溺愛の行動を嫌がる素振りをするから俺もふざけたふりして、

「りゅちぇ、大好きぃ!」

いつも通りの大西畑を誰になんて分からないけどアピールする。

流星はもう前を向いたのかな。俺はきっとまだ何度も振り返ってしまいそうやけど。

恋人関係やなくても、誰も知らなくてもそれでいい。
気持ちに蓋をして、流星の心を少しでも温められたらそれでいい。




(もっとそばにいたかったんだ、)


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咲希@skrmc(プロフ) - 50話まで書き切りありがとうございました。更新してくださっている間、とても素敵な時間を過ごせたと思います。度々気になっていた最後の「()」。あれは歌詞だったのですね。また恋香さんの小説が作成され、機会があればまた読ませていただきます。 (2022年5月28日 0時) (レス) @page49 id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
rinu - 純愛でした♥ (2022年4月6日 0時) (レス) @page33 id: d47608d8bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:恋香 | 作成日時:2022年2月15日 16時

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