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25話 ページ25

タツキがAの髪に触れると、体をびくつかせる。

黄「あっ、ごめんね?大丈夫?」

『いえ…その、私こそすいません…』

緑「A先輩、その髪どこで切ってるんですか?」

『髪は自分で…』

黄・緑「えっ!?自分!?」

Aの返答に大きな声で驚く2人。

前髪は顔が隠れるほど長く、後ろは短く不揃いに切られている。

『ハイ…美容室は苦手だし、自分で切れますから…』

黄「ダメだよ!女の子は髪が命なんだから!」

『そうは言われましても…』

緑「どうしたんですか?」

『自分で切らなくても…切られちゃうので。』

黄「切られるって…誰に?」

『私の事が嫌いな人達に…』

緑「酷い…」

『だから短くしておく方が。』

彼女の言葉に2人の表情が沈んだ。

『あっ…暗い話ですいません。』

黄「ううん。これからは僕達が護るからね!」

緑「そんな事、もう絶対にさせません!」

今度はAが2人の言葉に驚く番だった。

『どうしてそこまで…?』

黄「どうしてって…助けを求めてる人がいたら、手を差し伸べるのが普通じゃない?」

『けど、今まで何の関係もなかった私のために、そこまでするなんて…』

Aが言えば、「うーん」と悩み始めるタツキと朴。

緑「僕達がそうしたいから、する!じゃダメですか?」

黄「うん!あんまり深く考えても分かんないや!」

『…』

2人の言葉にAは黙り込んだ。

緑「A先輩?」

『私も…』

黄「何?」

『私も皆さんみたいな暖かい人になれるでしょうか?」

緑「なれますよ!A先輩ならきっと!」

黄「うん!なれるよ!一緒に頑張ろう!」

『はい。ありがとうございます。』

力強い言葉に、Aも力強く頷いた。

黄「あっ!ついたみたい!」

その時、走り続けていた車が止まった。

黄「さっさっ降りるよー!」

『だっ大丈夫でしょうか…』

緑「やってみない事には始まらないですよ!」

降りるのを渋るAに、朴が笑顔で手を伸ばす。

少し戸惑ったのち、Aは恐る恐る朴の手を取った。

車の外はたっぷりの太陽が降り注ぎ、Aは少し目を細める。

『眩しい…』

黄「Aちゃん、こっちだよ!」

既にお店の前にいるタツキが、手招きをする。

Aは空を見上げていた顔を、地面へ向けると朴の背を追って歩き出す。

中に入れば、ずらりと並んだ店員に出迎えられた。

『うわぁ…』

「いらっしゃいませ、榊原様!」

黄「ここね、僕の行きつけの美容室なんだ!」

『そうでしたか…』

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炭酸(プロフ) - 剣城萌江さん» ありがとうございます(^^)こんな駄作ですが…先生をより好きになるお手伝いが出来て私は幸せです! (2017年7月8日 10時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 最近リア友にアルスマグナを布教され、見事に沼にハマった新米メイトです。ケント先生推しなので最初からドキドキワクワクしました!これを読んでもっと先生のことが好きになりました(*´ω`*) (2017年7月6日 16時) (レス) id: 869f1bba53 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - あさべるさん» ただいまです!ありがとうございます(^^)読みに来てください!ゆっくりではありますが、書き始めてますので、気長にお待ち下さい(^_^;) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アメさん» ご無沙汰してます。長らくお待たせしました(;´Д`)お気遣いありがとうございます(^^)アメさんもお気を付けて! (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - 韮さん» ただいまです!はい!のんびり楽しく頑張ります(^^) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:炭酸 | 作成日時:2017年2月22日 0時

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