検索窓
今日:23 hit、昨日:5 hit、合計:36,928 hit

17話 ページ17

紫「んじゃ、朝のHRはここまで。」

HRが終わると、途端にざわつき始める教室。

そんな中、奏は静かに立ち上がる。

振り返って歩き始めれば、何人かの女子も同じ方向へ。

青「「Aさんっ」」

声が重なって、お互い驚いて顔を見合わせる。

声をかけられたA本人はそろりと顔を上げた。

「泉君…Aさんに用事?」

青「そちらもですか?先にどうぞ。」

「えと…泉君からどうぞ。」

「なら、俺からいいか?」

譲り合っていると、割り込んでくる声。

青「先生っ」

そこには名簿を持ったケントの姿。

紫「お前らもAに用事?」

奏と女子生徒達を交互に見るケント。

青「はい。まあ…」

紫「悪いけど、俺先でもいい?」

「ど、どうぞ。」

女子生徒達はケントの話にどこか落ち着かない様子で聞き耳を立てる。

ケントはお構いなしにAに向き直った。

紫「A、この間のテストの事で話あるから一緒に来てくれ。」

『テスト…ですか?』

紫「珍しく点数悪かった。」

青「それだけで呼び出しですか?」

紫「Aは特待生制度で入学してるから、成績が下がったり、定期考査で順位が下がると色々大変なんだよ。」

『すいません…』

紫「学費免除とか、寮費免除とか…お金のことも関係してくるからな。」

ケントと奏の話を少し離れて聞いていた女子達はホッと息をついた。

紫「んじゃ、行くぞー。」

Aが頷いて席を立つ。

青「先生、」

教室から出て行こうとするケントを呼び止めた奏。

鋭い視線をケントへ向けている。

青「何かあるなら、話してください。」

紫「何かって…なんだよ。」

奏の意味深な発言に、Aの方もピクッと揺れた。

青「…2人が隠している事ですよ。」

ケントはチラッとAを見るが、その表情を伺う事は出来ない。

紫「まあ、なんだ…俺からは話せない。聞きたいなら、Aに直接交渉しろ。」

ケントは奏に告げると、再び歩を進め始めた。

Aは少し奏へと振り返ったが何も言わずにケントの後へと続いた。

「泉。」

声をかけられ、奏が振り返ると

赤「何だよ?」

真剣な表情のアキラがいた。

青「俺にもよく分かりません。」

赤「Aが関係してんだろ?あんな奴ほっとけ。」

どうやらアキラは先日の件でAをあまりよく思っていないようだ。

青「アキラ、彼女の様子見て何も気がつかなかったんですか?」

赤「はあ?別に?」

アキラの返答にため息をつくと、そのまま奏は席へと戻っていった。

18話→←16話side青



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
85人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

炭酸(プロフ) - 剣城萌江さん» ありがとうございます(^^)こんな駄作ですが…先生をより好きになるお手伝いが出来て私は幸せです! (2017年7月8日 10時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 最近リア友にアルスマグナを布教され、見事に沼にハマった新米メイトです。ケント先生推しなので最初からドキドキワクワクしました!これを読んでもっと先生のことが好きになりました(*´ω`*) (2017年7月6日 16時) (レス) id: 869f1bba53 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - あさべるさん» ただいまです!ありがとうございます(^^)読みに来てください!ゆっくりではありますが、書き始めてますので、気長にお待ち下さい(^_^;) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アメさん» ご無沙汰してます。長らくお待たせしました(;´Д`)お気遣いありがとうございます(^^)アメさんもお気を付けて! (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - 韮さん» ただいまです!はい!のんびり楽しく頑張ります(^^) (2017年6月4日 23時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:炭酸 | 作成日時:2017年2月22日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。