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はじまりの夜 ページ33






俺もベッドに座りながらそれを見ていたけど、あまり面白くなくて。

「他のチャンネルも見ていいですか〜?」



あれ、先輩寝てる?

頭をコテンとソファの座面につけて目を瞑っていた。

緊張とかいろいろで疲れちゃったかな。

ちょっと意地悪してごめんなさい。


前髪から覗くあどけない寝顔が可愛くて、
髪の毛の上からおでこをそっと撫でる。

するとピクッと動いて、

また元の規則的な呼吸に戻る。

まるで動物の赤ちゃんが寝ているような柔らかい雰囲気が流れる。


「寝てるの?」

返答はない。



じゃあ、いいかな…


だってもう、今さらでしょ?

非現実的な事の連続で、
理性のブレーキが壊れている。



ちゅっ・・


「だめ…」

目を半分開けて、蕩けた顔で俺を見る。

そんな顔でダメって言われても…
堪らずもう一回キスをする。

すると、目を瞑りながら唇を近づけてきて
…チュッ …チュッ

「だめだよ」

そう言いながら今度は何回も俺にお返しをしてくる。

首の後ろに手を回されて、何回も。

唇の表面に触れるだけの小さなキス。

何が起きてるのかわからないけど、
頭の中が幸せで溶けそう。

もう我慢できない。

先輩の背中に手を回して、
その可愛い唇を何回もついばむ。

されるがまま。

熱くなった先輩の唇をスっと舐める。

「んん…」

前歯で下唇をひっこめて、それからうっすらと開く。
薄っすら漏れる息が俺の口に染み入る。


もう戻れない。
ねぇ、彼のもとへ戻るの?

意識を失いかけた妖しい瞳で、
俺のキスに応えながら壁の時計を見る先輩。

「帰るの?」

「ん」

首を片方に振る。

「帰らないで」

「うん」

右手で頭を押さえながら、まだ力が入った唇の境目を破る。

戸惑って奥に逃げる舌を追いかける。

「こわい?」

「んん…し、て…」

緩くなった結び目を解いていくと、
俺の両頬を押さえて、それを侵入させてくる。

力強く吸って放す、時々漏れるいやらしい水の音。

一旦顔を離して、水分の行き場のなくなった瞳を見つめる。

「先輩…いいですか…?」

俺の寝巻きに身を包んだ先輩。前開きのボタンに指をかけて、先輩を見る。

「……うん…」

視線を下げて小さく答える。

背中と膝の裏に手を通し先輩を抱えて、ベッドへ運ぶ。





わすれない→←勝手だよ



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ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます!早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです!スピンオフ待ってます! (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆんぴょ | 作成日時:2019年6月7日 11時

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