浮沈 ページ24
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煮え切らない表情を残して。
いつも彼の元へ行く時は嬉しさを浮かべているのに。なんで。
それならまだここにいたらいいのに…
それは無理だって分かってるけど。
ここにいる必要もないしね。
俺の気持ちだけで。
明日は元気で会いましょう。おやすみ、光先輩。
・
サーサーサー
静かな雨の気配で起きる薄暗い朝、AM6時。
元気もやる気もないけど、いつもの支度をただするだけ。
朝は先輩に会うことはなくて。
時間ぎりぎりに出勤してきた先輩。
……ってこんなに先輩の事、見てるの、気持ち悪いよな。今更思う。
先輩の何でもないのに。
そんな事を考えていると、先輩がこっちを向いた。
目が合う。
一瞬驚いたような顔をして、首を振りながら顔を逸らす。
あ…
不審……に思ったかな。
ごめんなさい。
気になってしまって、
自分が自分で嫌になってくる。
・
帰り際、今日もロビーで待機する光先輩。
「光先輩、お疲れ様です」
「あっ、お、おつかれっ…」
こちらを見てくれない。
思い切って聞いてみる。
「昨日は…大丈夫でした…?」
「ん…ぅん」
自信のない回答。
「何か…あったら、言ってくださいね、あの、何か出来るかも…」
自分がおかしな事を言ってる気がして、フェードアウトしていく語尾。
「いい、から、早く帰りな?」
不自然に思い切り反対側に首を向けながら、そう言われた。
「あ、えっと、ごめんなさい、干渉するつもりはなかったんですけど、、失礼しました」
そう言うと、急いでこっちを向いて、潤ませた目で、
「んーん! ちがうの!…ごめんなさい…」
状況と心情が理解出来なくて。
「え?えと、いや、ぜんぜん!謝るのはおれで」
「んーん!」
俺の言葉を遮り、強い否定の意を示す先輩。
「あのね………あぁ、だ、なんでもない」
「はい。わかりました。先輩が話せる時に話して下さい。俺、ずっと待ってますから」
驚いた後、
恥ずかしそうにして、
「ん…ありがと……じゃ、ね、」
「はい!また来週!」
なるべく元気に。今日のお別れをする。
先輩が言おうとしてた事、すごく気になるけれど、
何でもそれを言おうとしてくれた事が嬉しい。
だから待ちます。
先輩の心が解れるまで。
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ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます!早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです!スピンオフ待ってます! (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆんぴょ | 作成日時:2019年6月7日 11時