濃い煩い ページ16
・
ｶﾀｶﾀｶﾀ…
今日も珍しく慧は朝早くから起きていて、パソコンで何やら作業をしていた。
「おはよ」
「んーおはよー」
休みだからゆっくりソファにもたれてTVを流し見する。
慧が大きな伸びをして、
「んあーっ！やっと終わったー！」
「お疲れー」
「もー休みの日もやることあるから休めないよ〜」
「だから泊まり込みで仕事してんだもんね」
「うん…帰りたいけどさ、時間がほんとないんだよね」
「そっかぁ、今回帰ってくんの大変だったんじゃない？」
「んーまーね、でもオーナーが誕生日はゆっくり出来るようにってちょっと負担減らしてくれたから」
「そーなんだ、よかったね。ゆっくり出来た？」
「うん！家帰るだけでリフレッシュするもん！早く毎日帰りてぇぇ」
「はは、頑張って！」
ﾎﾟﾂ＿＿ﾎﾟﾂﾎﾟﾂ＿
あぁ、また雨か。梅雨はいつでも雨が降るから嫌だな。
ボーっと窓の外を眺めていた。
「雨、ばっかだね」
「うん」
「雨嫌だ」
「うん」
「裕翔が切ない顔するから」
「 え？」
「何考えてるの？」
「えっ？何も。ただ外眺めてただけ… 」
「ふーん、恋煩いかと思った」
「へ ？」
「んー？そうじゃないならいいけど」
「う、うん」
そんな顔してたんだ。
やっぱり光先輩のこと、考えちゃうのかな。
先輩のこと想うと嬉しくて悲しい。切ない。どうしようもない。
気付くと慧が後ろから抱きついていた。
「裕翔？裕翔の寂しさは全部俺が埋めてあげるからね」
「な、なに？！えっど、ど」
「なーに裕翔ドキドキしてんの！」
勢いよく身体を前に跳ねだされた。
「本気にした？」
「は？するわけないじゃん」
いつもふざけてるし、にしては度が過ぎるけど。
先輩への気持ちに気付いて、今ご傷心の俺にとって。
「ちぇ〜」
ふっくらした口を前に突き出して拗ねた顔をする。
「ちぇ〜じゃないよ！人の事からかって！」
「心配…してんだよ？…これでも」
急に真面目な面持ちになる慧。
そんな慧にはちょっと慣れない。
「 ぁりがと…」
「んー！いい子いい子よしよーし！」
子犬をあやすみたいに頭をわしゃわしゃ撫でまわされる。
肩をトンッとされ、パワーを送られた。笑
子供みたいな行動だけど、そんな単純な事で少し元気が出た気がする。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (
レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです！スピンオフ待ってます！ (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆんぴょ | 作成日時：2019年6月7日 11時
