好きだから ページ13
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遠慮がちにソファに座る。
「ゆうと、いいのに…」
「いいんですよ、ここにいて」
「心配いらないから、きっとすぐ優しい薮に戻る…」
そう言いながら、恐れを目に浮かべている。
「じゃあそれまでここにいて下さい」
「どうして…」
「ほっておけないから」
「大人だから大丈夫」
「大丈夫じゃないです」
弱々しく強がる先輩に堪らず、正面から抱きしめる。
「ゆ 、と」
「こんなに冷えてる」
迷える手を俺の背中に回して、
何かが崩れたように泣き出し、俺の肩に涙を流す先輩。
「ごめっ、、おれ、」
「うん…いいですよ。落ち着くまでこのままで」
しばらくして、泣く声が消えたと思うと、俺の胸を手で押しのけ離れる先輩。
顔を真っ赤にして体育座りで頭を膝にうずめる。
「…うぅぅ」
「えっ…と」
「見んな！！」
「…はい」
片方だけ顔を出し、
「ごめん、ありがと…」
「いーえ」
「また恥ずかしいとこ見られちゃった…」
すぐそういう可愛い事言う…
こんな事思うのは不謹慎かな。
「恥ずかしくなんかないです。誰だって色んな悩みを抱えてるんですから、たまには泣くことも必要です」
「そっか…ゆうとは優しい、大人だね」
「そんなことないですよ」
「ゆうとは？ゆうとも悩んでるのかな…なにか…」
「 いえ？」
悩みは、言えないです。
あなたを困らせるから。
「すごいね、それでも気持ちを分かろうとしてくれる。ありがと」
先輩が俺の家に来て、初めて、一瞬暖かい雰囲気に包まれた。
何か解決した訳じゃないけど、少しは前進できたかな。
そんな空間も一つの着信音が終わりを告げる。
♪♪♪♪♪♪
「もしもし うん。 いいよ。 わかってる。 うん、戻るね」
「先輩…」
「ゆうと。今日もありがとう。ゆうとのおかげで、すごく、冷静になれてる。また頼っちゃうかもしれないけど…」
「はい、いつでも来てください」
「うん、ありがとな」
本当は帰したくないけど。
先輩の帰りを待つように雨は上がる。
僕を残して。
ずっと考えないようにしていたけど、
やっぱり先輩の事が好きです。
俺は逃げてくるだけの場所でいい。
不安な時は傍にいさせてください。
それくらいしか出来ないから。
先輩を笑顔に出来るのも俺じゃないから。
愛されたいなんて願うことさえなくて。
その手が冷えてしまう前に、抱きしめさせて。
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ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (
レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです！スピンオフ待ってます！ (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆんぴょ | 作成日時：2019年6月7日 11時
