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許されない思い ページ12






俺は先輩を家に上げてどうしたかったんだろう。
それに、雨の中先輩を見つけた時、嬉しかった。
どうして。
先輩を救えるって思ったのかな。いや、そんなんじゃない。答えは半分分かってる。
けど、それを思考の表に出しちゃいけない。
それは救われない答えだから。




次の日俺のもとへ急いで謝りに来た先輩。

「ゆうと昨日はほんっとほんとごめん!突然押しかけて、散らかして帰っちゃって」

「いいですよ」

笑顔を努める。

「ゆうとが優しいからさ、つい頼っちゃうんだよな…ごめんな、もう押しかけたりしないから!」

「いいんですよ、ちょうど今は一人ですし」

「えっ ?」

先輩の表情が少し強張る。

「あ、言ってませんでした?幼馴染と一緒に住んでるんです」

「ぉ、女の子…?」

何その可愛い顔。

「いや笑 先輩と同い年の男です」

「よかった……」

「へ?」

「ほら、女の子の家に勝手に上がるの悪いだろ?」

なんだ…そういうこと。

なんだってなんだよ…

「ていうか、いつでも来て下さい!…逃げる時、だけじゃなくても…」

「あー、うん、ありがと」

目を合わせず笑顔で返事をする先輩。

普段は来れないですよね。
先輩はすぐ表情に出るから分かるんですよ。







そして、帰りにはまた楽しそうな二人がいる。

薮さんと一緒の時の光先輩は本当に素敵な笑顔をしている。

薮さんには憤りを感じるけど、光先輩を幸せにできるのは薮さんだから。


だから今日は…何も起こりませんように。

その笑顔が続きますように。






って、そう思ってたのに、なんで、こんなループいらない。




ザーザーザー

雨はまるで二人の合図のように訪れる。


残業終わり、今日も急に雨は降り始める。
ふと先輩の顔が浮かんだ。

まさか、と思いながら、昨日の道を通る。




震える手で傘をさしている人。光先輩。


そんな姿を見たら自分の感情を抑えるストッパーは外れてしまう。


「先輩」

「ゆうと。ほら、今日は傘持ってんだよ?」

「そうですね。えらい」

「ん」

泣きそうなのをこらえて短い返事をして、立ち去ろうとする先輩。

「俺に頼っていいんですよ」

今日も強引に先輩の手を引いて家へ急ぐ。






好きだから→←_.



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ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます!早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです!スピンオフ待ってます! (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆんぴょ | 作成日時:2019年6月7日 11時

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