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気付くと近くまで来ていた。
＿＿＿＿＿俺を見てほほ笑む光先輩。
「ゆうと…来てくれる気がした…」
「なんで…」
「ごめん…」
「解決したんでしょ」
「やっぱりダメみたい」
「俺の、家に帰りましょう」
「…うん……俺いけないやつだね…薮の事裏切って」
「そんなのどうでもいい」
無言で先輩の手を取る。
「あっ」
手を放す先輩。
「気にしてるの？薮さんの事」
「う、うん…」
「じゃあ家に来ない？」
下を見て、ううん、とお母さんに問い詰められてる子供みたいに首を振る。
「じゃあ、ほら」
おずおずと手を差し出す。
その手を強く握って雨の街を歩く。
・
「着きました。またシャワー浴びますか？」
「いい。あ、でも濡れちゃうね。玄関にいる」
ついてきたくせに突然遠慮をしだす変な先輩につい笑みがこぼれた。
「もう、いいですよ、じゃあタオルと着替え持ってきますから」
「ごめん…」
「はい、さぁどうぞ」
「お邪魔します」
自分の居場所を探りながらソファの前の床に座る。
「いや、ソファ座ってどうぞ？」
「ありがと…」
「また逃げてきたんですか」
「うん…ごめんな甘えて」
「いいですよ。でも、それでも薮さんが好きなんでしょ」
「そう……だね、自分でもよくわかんない…けど離れられないんだ。一番愛してくれたのが薮だから」
「愛してる人の事傷つけるんですか」
「そういう形もあるよ、きっと」
納得いかない、でもやけに大人びた応えをする先輩に返す言葉をなくす。
「幸せになってほしい…」
「へ ？」
危ない、考えた事が口に出ていた。
「あ、や、、もっと自分を大事にしてください」
「うん…ありがと、でも無理じゃないんだ。こんな生活も。薮の事愛してるから」
「そうですか…」
それを言われたら何も言えない。
無関係者の俺は何も言えない。
先輩が薮さんから逃げて家に来るだけの無関係者。それ以上でもそれ以下でもない。
♪♪♪♪♪♪
「もしもし！ うん。 外に… うん。分かった。戻るよ」
薮さんからですか。
「ゆぅと…」
「いいですよ、行って」
「ごめんな、薮すごい泣いてて…」
泣きたいのはこっちだ。
「ん」
「絶対この借りは返すから！ほんっとにありがとう！」
そう言って自分が着ていたビショビショの服に急いで着替え、出て行ってしまった。
誰もいない空っぽの部屋に先輩に投げ出された服が散らかっていた。
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ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (
レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです！スピンオフ待ってます！ (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆんぴょ | 作成日時：2019年6月7日 11時
