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「……言ったから、約束通り帰るぞー」
「……うん」
ひざしにいちゃんは素知らぬ顔で車のキーと財布を持参。
立ち上がって、一瞬ふらっとした。
言葉だけで人って腰砕けるんだ……
トイレ行くから下で待ってろって言われて玄関で靴を履いて待機。
あら、 Aまだ帰ってなかったの？
うん、でもひざしにいちゃんが送ってくれるって。
自転車は？
明日はバスで行って、夕方とりにくるよ。
おばあちゃんと話していたら、タッタッタと階段を降りてくる音。
着替えられたズボンに、長かったトイレ。
あらぬ妄想をしたけど、虚しくなるだけだと割り切った。
それからも不透明な関係は続いて、年が明けた。
お年玉をもらってお買い物に行って、晩は親戚みんなでご飯。
締めのカニ雑炊を食べて、お腹いっぱい。
ご飯を食べながら掘りごたつの下でひざしにいちゃんの向かいに座って、足を踏んだり絡めたりしてみんなには内緒でちょっといちゃいちゃ。
たまに合う目に、思わずにやけそうになるのを必死で我慢。
人の熱気が暑くてひとまず退散してリビングへ。
幼稚園児の従兄弟たちに遊んでーと誘われている。 早く行かないとなあって思いながら、こたつの中でうとうと。
その時引き戸の開く音がして、誰かもわからないのに思わず目を瞑る。
けど意識は醒めた。
ペタペタと足音が近づいてきて、私の前で止まった。
子供の足音じゃないし……おばあちゃん？ お母さん？
……ひざしにいちゃんだったりするのかな。
衣擦れの音がして、影が差した。
多分しゃがんだ。
ひざしにいちゃんだ。
お母さんかおばあちゃんなら起こすか放っておかれるから。
頬を優しく撫でられる。
うん、この指先は絶対ひざしにいちゃんだ。
起きてることバレないようにしないと……あああ……
頬に手が添えられて、だんだん影が濃くなる。
近づいてくる気配。
動揺する私をよそに、唇に触れた柔らかいもの。
乾燥して生暖かいそれ。
え、え？
ちょっと待って今。
「……ごめんな」
小さな呟きと、立ち上がって遠ざかる足音。
ひざしにいちゃんが出て行って、数秒。
ガバッと起き上がると、唇に触れた。
「……キス、したよね？」
なんで、どうして、キスなんか。
そんな期待させるようなこと。
もう、ひざしにいちゃんの気持ちも、自分がどうしたいのかもわからなかった。
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Able(プロフ) - ぬっこさん» コメントありがとうございます！！遅くなり大変申しわけありません！リクエスト (？)ありがとうございます！ストックしてあるお話が途中なのでそれが終わってからにはなりますが、書かせていただきますので気長にお待ちください！ (2020年8月9日 11時) (
レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - またまた読み返しております!! ほんとに大好きな作品です（´-` ）主さんのペースで更新していただけるとこちらも嬉しいです！ ｢君に誓う｣のマイクside読んでみたいなって思いました（´-` ） (2020年8月1日 22時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
can(プロフ) - ぬっこさん» 返信遅くなりごめんなさい、コメントありがとうございます！稚拙な文章ですがそう言っていただきありがとうございます！他作品の方にもコメントしてくださりありがとうございます。リアルが忙しくなかなか更新できませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月30日 16時) (レス) id: 756994877b (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - あああ、やばい切ない...好きですこの作品。 (2020年5月15日 12時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Able | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月30日 23時
