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これは皮肉だきっと。
結婚式の日があの日と同じだなんて。
もう帰りたい。
「なあA、おれびっくりしたんだけどさ」
駆け寄ってきたのは小学三年生の従兄弟のげん。
平行二重のクリクリした目が下から私を覗き込んだ。
「ん？」
「ひざしと結婚するのって、Aかと思ってた」
「……うん？」
「だっていっつも仲良さそうだった。 なんか、
絶句した。
おばあちゃんにだって何も言われなかったのに。
「それお母さんに言った？」
「……うん」
「……なんて？」
「失礼だから、ひざしとひざしのおくさんの前では言うなって言われた……それと、Aにも」
「……」
「……ごめん、余計なお世話だった？」
「そんなことないよ」
喜んだらいいのか、悲しめばいいのかよくわからなかった。
けど、招待状をもらった時に涙が溢れてきたってことはきっと私はまだ……
「私とひざしにいちゃんは結婚できないんだよ」
「なんで？」
「そういうルールだから」
「けど、いとこ同士は結婚できるんだよ？」
「私とひざしにいちゃんはいとこ同士じゃないよ」
「じゃあなんなの？」
「……叔父と姪っ子」
結婚できない、結ばれない。
久しぶりに突き付けられた現実は、私の気分を下げるのには十分だった。
そんな私を見て、バツの悪そうな顔をしてげんは去っていった。
げんは聡いなあ。 それに鋭い。
スマホに写る数年前の私たちが、ひどく憎かった。
ひざしにいちゃんは、いつものワックスでガッチガチに固めた髪型じゃなくて後ろで緩く纏めていて、新郎の入場のとき、ちょっとした騒めきが起こった。
グレーのタキシードが嫌ってほど似合っていて泣きたくなった。
奥さんは綺麗な人だった。
あのとき付き合いだした彼女と同じはずなのに、と違和感を抱いた。 ひざしにいちゃんは可愛いって言ってたのに。
けど、二人が誓いのキスをしたときそんなことはどうでもよくなった。
見つめ合う二人は、私にとって拷問でしかなかった。
披露宴の間は入ったり出たりを繰り返して、二人の馴れ初めやケーキ入刀なんかを聞いたり見ないようにした。
胸が張り裂けそうだった。 叫びたかった。 けど、どうすることもできなかった。
結局最後まで傍観しているだけの自分が一番嫌だった。
「あの、すいません」
「……はい？」
幸いにも二次会はなくて、ここでお開きとなった。
最後、帰る際に玄関口で待ち受ける新郎新婦と会うのが憂鬱で、二人が見えない部屋の隅でスマホをいじっていた時だった。
「俺は新郎の友人の相澤消太です。
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Able(プロフ) - ぬっこさん» コメントありがとうございます！！遅くなり大変申しわけありません！リクエスト (？)ありがとうございます！ストックしてあるお話が途中なのでそれが終わってからにはなりますが、書かせていただきますので気長にお待ちください！ (2020年8月9日 11時) (
レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - またまた読み返しております!! ほんとに大好きな作品です（´-` ）主さんのペースで更新していただけるとこちらも嬉しいです！ ｢君に誓う｣のマイクside読んでみたいなって思いました（´-` ） (2020年8月1日 22時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
can(プロフ) - ぬっこさん» 返信遅くなりごめんなさい、コメントありがとうございます！稚拙な文章ですがそう言っていただきありがとうございます！他作品の方にもコメントしてくださりありがとうございます。リアルが忙しくなかなか更新できませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月30日 16時) (レス) id: 756994877b (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - あああ、やばい切ない...好きですこの作品。 (2020年5月15日 12時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Able | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月30日 23時
