深酒 相澤消太 ページ1
「どうしてこんなになるまで飲むの……」
帰宅すると、同棲中の彼氏がとんでもなく深酒していた。
リビングの扉を開けた途端に立ち込めるアルコールの匂いと暖房の熱気がまるで居酒屋を連想させてげっそりした。
机の上や周辺にはビールの缶が放られていて、それらは私の頬を引き攣らせるのには十分だった。
「あ"〜？ お"っせえよ、もっと早よ帰ってごい」
「はいはいごめんね。 これは没収」
「んぁ、オイ」
お酒ですっかりガラガラな声。
何でこんなに飲んだの……
バックを適当に放ると手早く窓を開け外の冷たい空気を取り込み、未だに飲み続けようとする彼の手からビール缶を没収。
すると彼は眉根を寄せ、下唇を突き出してあからさまに不満げな顔をした。
「ぷっ、何その顔」
「見りゃ分かんだろ"、拗ねてんだよ」
子供のような顔に思わず吹き出す。
自分で「拗ねてる」って言うなんて。
酔って幼くなった消太は貴重だ。
耳を真っ赤にして、頬や首筋もすっかり紅潮している。
目はうるうるしていて、正直女子の私より色気がすごい。
「あーあーすっかり出来上がっちゃって」
「あ"？ 出来上がてねえ」
「呂律が回ってないですよー」
(消太)のすぐ手元には大量のおつまみがあって、品が豊富なそれらに今日はとことん飲む気だったことを悟る。
お酒にはそれなりに耐性があるのにこうなったってことは、最初から飛ばしたな……
ぶー垂れている彼に呆れながら缶ビールを片付ける。
「おまえさあ"、なんか言うことねえの？」
「ただいま帰りました。 消太こそ何かないの？」
「……片付けご苦労様」
「素直でよろしい」
ガチャガチャと音を立てながら缶ビールをゴミ袋に詰めて縛る。
明日ゴミの日だし、どうせならまとめちゃえ。
缶が擦れ合うけたたましい音に紛れて、消太の低い声。
「ん？ 何か言ったー？」
「後で言う」
「そー」
せっせとゴミ箱におつまみのゴミを詰め、缶ゴミを玄関に置いて一段落。
やっと片付けが済んだ頃には、帰宅から三十分程経過していた。
「しょうたー」
「……なに」
ソファとテーブルの間に胡座をかいて、じっと待っていた消太。
まだ拗ねているのか、顔がブスッとしている。
下からギロッと睨んでいるが、あまり怖くはない。
むしろ何か可愛い。
余裕のない消太。
「約束破ってごめんなさい」
「……」
「一緒にゆっくりしようって言ってたのにごめんね」
「……はー」
俯いてガシガシと頭を掻いて、「俺かっこ悪ぃ」と小さく漏らした。
「けど可愛いよ？」と言うと「おまえのが可愛い」とサラッと言われて、ちょっと照れた。
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Able(プロフ) - ぬっこさん» コメントありがとうございます！！遅くなり大変申しわけありません！リクエスト (？)ありがとうございます！ストックしてあるお話が途中なのでそれが終わってからにはなりますが、書かせていただきますので気長にお待ちください！ (2020年8月9日 11時) (
レス) id: cf9458e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - またまた読み返しております!! ほんとに大好きな作品です（´-` ）主さんのペースで更新していただけるとこちらも嬉しいです！ ｢君に誓う｣のマイクside読んでみたいなって思いました（´-` ） (2020年8月1日 22時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
can(プロフ) - ぬっこさん» 返信遅くなりごめんなさい、コメントありがとうございます！稚拙な文章ですがそう言っていただきありがとうございます！他作品の方にもコメントしてくださりありがとうございます。リアルが忙しくなかなか更新できませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年5月30日 16時) (レス) id: 756994877b (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - あああ、やばい切ない...好きですこの作品。 (2020年5月15日 12時) (レス) id: fb813ea952 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Able | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月30日 23時
