今宵、パーティーで踊りましょう【wrwrd】 (ページ6)

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その大きな扉を開けた先には、想像以上に小さな部屋が広がっていた

｢あー...グルッペンあいつまじ...｣

｢シャオロンクイズしようぜ、何部屋あると思う？｣

｢24｣

｢じゃあ俺31で｣

脱力しきった2人は遊び始める
理由もわからずしんぺいさんを見れば相変わらずのにっこり笑顔で説明をしてくれる

｢この城には主が居るんよ。まぁそいつがAちゃんをこの世界に引っ張ってきた張本人なんやけど

この扉の先には普段なら大きな食堂みたいな場所がある。だけどそいつの力はこの世界で最強やから城の構造変えるだなんて容易い事って訳や

食堂までを迷路にやって出来るし、ただただ部屋を並べる事も出来る

因みに俺は15部屋やと思う｣

ちゃっかり自分もゲームに参加したしんぺいさんは私にも数を問うてくる

『じゃあ...20
このゲーム楽しい？』

｢ちゃうねんAちゃん
このクイズ正解したらグルッペンからお菓子貰えるんよ！あ、グルッペンってのはこの世界の1番な｣

楽しそうに教えてくれるシャオロンは甘い物が好きなんだろうか

｢俺はお菓子じゃなくて鮭やけど｣

『シャケ！？』

｢なんや悪いんか｣

『いや...滅相もございません...』

なんだか彼は苦手だ

でもシャオロンと話してる姿を見れば悪い人...ゾンビではないんだろう

なんだ、悪いゾンビって
笑えてくる

その世界に慣れてしまった自分が怖いようにも感じる
でもその感情は不思議な空気に溶けてすぐ消えていく

｢じゃ、1個目開けるで｣

｢2部屋目ー｣と言いながらシャオロンが扉を開く
その先の部屋は、今の部屋より明らかに大きかった

高い本棚がズラリと並び、威圧的な雰囲気を醸し出している
でも昔から親しんだその香りは私の頭を少しだけ落ち着かせた

足を踏み出せば床板がぎしりと嫌な音をたてる

｢ここに出たか...｣

後頭部を豪快に掻きながら面倒くさそうにコネシマが呟く

｢なんや、あいつら集めて来いってこのなんか｣

｢シッマ、今更文句言ったってしゃーないやろ。行くで｣

｢わーいエミさん探そー｣

呆れたようなシャオロンにふわふわしたしんぺいさん
なんだかこの3人の特徴が掴めてきた

今更逃げても遅いし恐ろしい事にこの城は変幻自在だとさっき教わったばかりだ

逃げることはせず3人の背中を追った