隣人さん ２３ ページ23
そんな私の顔を覗き込むシャオロンくん。
元気がないのが気づかれたのか、「どうしたん？」と聞かれてしまう。
けどここで、実は先輩からのアプローチがしんどいんだよね、とは言えない。
かと言ってコネシマくんが最近冷たいとも言えない。
そんな事を考えながら彼と目を合わせれば、首をコテンと傾げられる。
「…ううん、なんでもない」
「ほんまかー？そんな気せーへんのやけど」
すると。
彼の手が私の頭に乗った。
何度か優しく撫でられる。
ドキッと胸が鳴り顔がジワジワと熱くなっていく。
ついでに目頭も熱くなり涙がジワジワと溢れてきた時。
「カフェオレの精が助けてくれるはずやで」
「せ、精…？」
ニコリと笑顔全開でそう言われた。
私は思いっきり吹き出し、女かと疑うほどゲラゲラ笑う始末。
すると彼は私の持っていたカフェオレをスっと抜き取り、人形を扱うように動かし始めた。
「我はカフェオレの精。貴殿には元気を授ける」
「元気になった！元気になったからその気持ち悪い裏声やめて！」
「おい気持ち悪いってなんやねん！！」
それから小学生のように励まされた私。
溢れた涙は笑ったおかげで流れた。
「困ったことあったらすぐ連絡するんやで」
そろそろ戻らなきゃと腰を上げれば、彼はグッと親指を立てた。
頷き行こうとすれば「あ。ちょっと待った待った」と呼び止められる。
すると、彼は胸ポケットから付箋とボールペンを取りだし何か書いて。
買ってくれたカフェオレに貼り付けた。
「元気なくなったらこれ見て思い出してな、カフェオレの精」
そこに書かれていたのは「カフェオレの精です」と吹き出しで喋るふにゃふにゃの女の子。
その画力に吹き出しまたゲラゲラ笑うのだった。
大切にそのカフェオレを持ちながらオフィスへ。
まだタバコを吸っているであろうコネシマくんは帰ってきていないよう。
デスクの隅にカフェオレを置きその付箋をニヤニヤしながら見ていた。
可愛いなぁシャオロンくん。
私を元気づけるために描いてくれたんだ。
「へーそうなんすか」
コネシマくんの声が聞こえた。
振り向けば綺麗な女性社員と話しながらオフィスに帰ってきている姿が見えて。
コネシマくんと同じチームの磯村さんだ。
なんだか仲良さそうだな。
最近二人で一緒にいるのをよく見かける。
胸がキュッと痛みすぐ視線をカフェオレへと戻した。
カフェオレの精パワーはコネシマくんには効かないみたい。
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ろぜ - 軽い気持ちで読んだら大好きになりました！！にやにやが止まりませんね。これからも頑張って下さい！ (6月23日 17時) (
レス) @page50 id: 3f33f1430a (このIDを非表示/違反報告)
ななし - この話すごく大好きです！読んでいてきゅんきゅんしました！これからも頑張ってください！！ (2022年12月12日 19時) (レス) @page50 id: 9bdb69c685 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ - ううううううううううううう！！！！！！！しんじゃう！！！大好きです！！ありがとうございます！！ (2022年3月22日 15時) (レス) @page50 id: 8a217b576f (このIDを非表示/違反報告)
レイ - えrいけどシッマかわえぇぇぇぇ！！！！！！！！！！！ (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 最高かよぉ〜〜〜 (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年4月2日 21時
