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ハッピーエンド7 ページ7

次の日のおやつ時。

彼はまたこの甘味所に顔を出してくれた。


「Aさーん、三色団子くだせェ」


縁台に座り私の下の名前を大声で呼ぶと、ポケーっと遠くを見つめている。

その時、いつも来てくれるお侍さんも現れて。


「あら、総一郎くんじゃねぇの。なになに、ここ知ってたの?」


「旦那、総悟でさァ」


銀さんと知り合いだったんだ。

二人にお互い面識あるとは知らなかった。

銀さんは同じ縁台に腰を下ろすと、ダラっと何か話し始めた。

二人はどこか似てる気がする。

雰囲気なのかな、お互い纏う空気感が似ている。


「Aちゃん、総一郎くんと仲良いの?」


お皿を片付けていたら、急に話をふられた。

仲がいい…訳では無いよね。

会った回数で言えばまだ三回だし、彼の事全然知らない。

こういう場合、どう返答するのが正解なんだ。

言葉を探していると、沖田さんが代わりに口を開いた。


「漫画を貸し合うくれぇには仲良いですかねィ。俺たちお友達なんで」


「ね、Aさん」と死んだ目で返事を求められる。


「あ、は、はい…」


よかった、お友達というカテゴリーには入っていた。

不審な女止まりだったらどうしようかと思った。


「へーお友達ねぇ…」


物珍しそうな態度を見せる銀さん。

変な空気が流れる。

この二人は一体どんな関係なのだろうか…。

そう言えば、昨日沖田さんは上司にあたる土方さんに怒られてたけど、今日は大丈夫なのだろうか。

次々と湧き出てくる疑問。


沖田さん、今日も来てくれたのは何でですか。


どうしてだろう、変な期待をしている自分がいる。

そうではないと分かっているのに、妙にその可能性があるんじゃないかと思ってしまう。

私に会いに来てくれた、と。

いや、いやいやいや。

恋人じゃあるまいし。

恋人…。


「Aさん、どうしやした」


「あ、え!な、何がですか」


「顔、真っ赤でさァ」


そう言われ気づく。

さらにカーッと体が熱くなり、思わず背を向けた。

私、ほんと何考えてるんだろう。

一瞬だけ、沖田さんの隣に私が並ぶ絵を浮かべてしまった。


「体調悪ぃなら、早めに切り上げてくだせェ」


サッと立ち上がった沖田さんが、背中越しにそう声をかけてくれた。

冷たい目をした彼だけど、時々こうして優しい面を見せてくる。

そのギャップがなんだかくすぐったい。

…何意識してるんだ、私は。

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お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時

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