検索窓
今日:10 hit、昨日:1 hit、合計:64,846 hit

ハッピーエンド45 ページ45

座り後ろから私の肩に顎を乗せる彼。

ギュッと腕でお腹をホールドされている。

バックハグはこんなにもドキドキするものなのか。


「で?俺の幼少期は可愛かったでょ」


自信満々な声音に思わず吹き出す。


「っふふ、土方さんの素直じゃない言い回しでも、可愛さすごく伝わりましたよ」


私は、どんな話を聞いたか順を追って話していった。

土方さんが総悟くんと出会った経緯、春夏秋冬のイベントのでの総悟くん、今と変わらずすぐ寝ちゃう総悟くん。

それと


「…ミツバさん。私、やっぱりそのお話が一番好きです」


すると、肩に乗っていた顔が離れていく。

振り向くように後ろを向けば、目を丸くする総悟くんが。


「土方さんが姉上の話をしたんですかィ」


「…?は、はい。総悟くんがミツバさんにすごく優しくしてたって話を…」



「へー…。Aには姉上の名前出すんだなぁあのクソ上司」



「珍しいんですか?」


「いや、なんでもないでさァ」


何故か嬉しそうに笑う彼に、頭にハテナを浮かべる。

嫌な事じゃなさそうだし、いっか。

その後も話していき、どうして真選組が成り立ったのかも教えてもらったと伝えた。

日々の苦難や、困難も。


「私、土方さんから総悟くんのお話聞けて本当に嬉しかったんですよ。自分の知らない小さな頃の総悟くんに会ってみたいって」


「そう、思ったり…」と、言葉が詰まる。

気づけば手が震え初め、鼻の奥がツンとする。

ビックリして無理に笑おうとすると、涙が溢れた。


「同情だって、思われたくない…けど…。でも、私は小さい頃の貴方を抱きしめたいって。小さな体に溜めたものを、受け止めたいって…!!」


ミツバさんの話。

それは何とも残酷な話だった。

土方さんが淡々と話す目の前で泣いてしまったほどに。

幼いのに、我慢して、押し殺して、守って、戦って。

そうして彼は、ミツバさんのそばにいて…。


「泣かないでくだせェ。Aさんが優しい人だって分かってまさァ、同情されただなんて思わないですよ。それに、もう過去の話ですぜィ。今はあんたがいるから、俺はこうして笑ってられる」


頬を伝う涙を親指の腹で拭ってくれた。

頭を撫でられ、困ったように眉を八の字にする彼。


「あんたがいればいい。Aさんが隣で生きててくれるなら、俺はそれで人生勝ち組でさァ」


こんな幸せな言葉をかけてくれる彼に、何がしてあげられるのかな。

お返しは、どんなことができるのかな…。

ハッピーエンド46→←ハッピーエンド44



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (84 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
125人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 夢小説
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。