ハッピーエンド45 ページ45
座り後ろから私の肩に顎を乗せる彼。
ギュッと腕でお腹をホールドされている。
バックハグはこんなにもドキドキするものなのか。
「で?俺の幼少期は可愛かったでょ」
自信満々な声音に思わず吹き出す。
「っふふ、土方さんの素直じゃない言い回しでも、可愛さすごく伝わりましたよ」
私は、どんな話を聞いたか順を追って話していった。
土方さんが総悟くんと出会った経緯、春夏秋冬のイベントのでの総悟くん、今と変わらずすぐ寝ちゃう総悟くん。
それと
「…ミツバさん。私、やっぱりそのお話が一番好きです」
すると、肩に乗っていた顔が離れていく。
振り向くように後ろを向けば、目を丸くする総悟くんが。
「土方さんが姉上の話をしたんですかィ」
「…?は、はい。総悟くんがミツバさんにすごく優しくしてたって話を…」
「へー…。Aには姉上の名前出すんだなぁあのクソ上司」
「珍しいんですか?」
「いや、なんでもないでさァ」
何故か嬉しそうに笑う彼に、頭にハテナを浮かべる。
嫌な事じゃなさそうだし、いっか。
その後も話していき、どうして真選組が成り立ったのかも教えてもらったと伝えた。
日々の苦難や、困難も。
「私、土方さんから総悟くんのお話聞けて本当に嬉しかったんですよ。自分の知らない小さな頃の総悟くんに会ってみたいって」
「そう、思ったり…」と、言葉が詰まる。
気づけば手が震え初め、鼻の奥がツンとする。
ビックリして無理に笑おうとすると、涙が溢れた。
「同情だって、思われたくない…けど…。でも、私は小さい頃の貴方を抱きしめたいって。小さな体に溜めたものを、受け止めたいって…!!」
ミツバさんの話。
それは何とも残酷な話だった。
土方さんが淡々と話す目の前で泣いてしまったほどに。
幼いのに、我慢して、押し殺して、守って、戦って。
そうして彼は、ミツバさんのそばにいて…。
「泣かないでくだせェ。Aさんが優しい人だって分かってまさァ、同情されただなんて思わないですよ。それに、もう過去の話ですぜィ。今はあんたがいるから、俺はこうして笑ってられる」
頬を伝う涙を親指の腹で拭ってくれた。
頭を撫でられ、困ったように眉を八の字にする彼。
「あんたがいればいい。Aさんが隣で生きててくれるなら、俺はそれで人生勝ち組でさァ」
こんな幸せな言葉をかけてくれる彼に、何がしてあげられるのかな。
お返しは、どんなことができるのかな…。
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お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時