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ハッピーエンド39 ページ39

〜Aside〜


ポケーっと、昨日の幸せな時間を思い出していた。

総悟くんと一緒に行った、誰もいない秘密の野原。

あの空間で二人でのんびりと過ごした時間の余韻が、今もまだ残っている。

もう一度行きたいなぁ。

そんな事を考えながら、家の小説や漫画を整理していた。

その時、あることに気づく。

…総悟くんから貸したマンガが返ってきていないではないか。


彼と出会った時、初対面(総悟くんからしたら初対面じゃないけど)だったのに家に上げた時。

私は彼に、新刊含めて漫画を持っていかれた。

未だに返してもらっていない事実に気づき、苦笑する。


「う、うん…なんで返してもらってないの私。とりあえず電話しようかな」


彼の携帯の番号を探し、一度迷ったがかける。

…仕事中かな、迷惑だったりしないだろうか。

プルルル、プルルル、っと無機質な音だけが流れる。

その時。

ピンポーンっと間抜けな音が響いた。

あ、え、お客さん、このタイミングで…。

携帯片手にドアへ近づくと、着信音が密かに聞こえた。

…え?もしかして。

すると、私が開ける前にドアが開いて。

そこには右手に着信音が鳴った携帯を持ち、左手に紙袋を持った総悟くんが立っていた。


「ええぇ総悟くん!!??」


「こんばんは〜。お呼ばれしたんで来やした」


「え、あ、え!?何で来てくれたんですか!?」


「いやぁ、随分前に借りた漫画返そうと思いやして」


タイミングは悪くなかった、良かったようだ。

心臓がバクバクしているが、彼を部屋へ案内した。

同じ日に同じ時間に同じ事を思い出すなんて。

これは、奇跡としか言いようがない。


「で、これ、ありがとうございやした」


カーペットの上で胡座をかき、紙袋から次々と漫画を出していく彼。

あ、私そんなに貸してたのね…。

若干引きながら、元あった場所へ戻していく。


「ま、その漫画たちは口実だったんですがねィ」


本棚に本を収納していると、後ろから声をかけられた。


「口実…?」


「漫画は、自分が本当に興味があるやつしか読まねぇ。けどあんたともう一度会う口実が欲しかったんで、借りたんでさァ」


ぶわぁぁっと顔が熱くなっていき、振り向けなくなる。

すると、しゃがんだ私の両肩に手を置かれ、グイッと力を入れ引っ張られる。


「うわぁ!」


尻もちをつくように崩れると、すっぽりと彼の足と足の間にハマった。

背中には総悟くん。

後ろから抱きしめられるような体勢に。

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お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時

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