【実/況/者】ファンから始まる私の恋【キ.ヨ】

第40話 ページ44

『んっ…！！』

いつまでも止まないキスの雨に、段々と息が苦しくなってくる。
苦し紛れに、身をよじらせると、やっとキヨが私から離れた。


「わ、悪い…嬉しくて、つい…」

そういって申し訳なさそうにするキヨがなんだか可愛くて、私はつい許してしまった。

『いいよ、その…嫌じゃないし…？』

「〜〜！！それ、ずるいっての…！」


次は正面から抱きしめられる。
私もキヨの背中に手を回すと、さらに強く抱きしめられた。


そうした時間を暫く過ごしたあと、私たちはお昼を済ませ、寛いでいた。


『…その、キヨ。』

「んー？」


『…好きだよ。』


「ぶっふ！！」

キヨは飲んでいたコーヒーを吹き出し噎せていた。

「き、急になんだ？！」

『そ、の、ちゃんと伝えてなかったなって！』

「っ…あんま可愛いことばっか言うなよ…」

はぁ、とため息をつかれてしまった。

タイミングを間違えたのかな？

「…我慢してるこっちの身にもなれよなぁ…」

そう、ぽつりと呟いた。

……キヨ、私だって子どもじゃないし、その言葉の意味くらいわかるよ？

『…我慢、しなくていいのに…』

「っ！」

がたっと音を立ててキヨは立ち上がる。
そしてテーブル越しに私にまたキスをした。


さっきのような触れるだけのキスじゃなくて、もっと深く深く、口付けた。

『んっ、ふ…！！』

数秒続いたキスの後、額をコツンと合わせてキヨは私を見つめる。

「…こんだけ煽ったんなら責任取れよ。」

キヨは私の答えを待たず、手を引いて寝室のドアを開けた。

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