sweet motion (ページ20)

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A「家でええ子に待っててって…言ったよな？俺に内緒でどこに行こうとしてるの？」

スタジオにいるはずの紫耀が、外出用のサングラスをして私の目の前にいる。

A「どうして…」

紫耀「ちょっと来い」

A「紫耀！」

腕を強く引かれ、マンションへ急ぎ足で歩く紫耀。

A「紫耀、話聞いてくれる？あのね、」

紫耀「うるさいから、ちょっと黙ってて」

ゆっくり上がるエレベーターに苛立ちを隠せない紫耀は、私の手首を握る力がどんどん強くなる。

A「紫耀…痛い」

紫耀「………」

そして最上階を示したエレベーターの電光表示板。

家に入る前のセキュリティドアをICカードで開けて、家の鍵を開け、家の中に入った。

紫耀「じゃあ、Aの言い訳、早速聞いてあげようか？」

紫耀、怒ってる。
いつもの可愛いニコニコしてる紫耀はどこにもいなくて、今目の前にいる紫耀は、ソファに座って貧乏ゆすりをし、目を細めて私を睨んでいる。

A「外が秋になったから…、秋の風を感じたくて…」

紫耀「逃げようとしただけやろ、家にいるのが飽きて、友達家にでも逃げようとしてたんやろ？それなのに俺に見つかって。残念、可哀想やなぁ、Aは」

A「違う！それは違う！わたしは…！…………紫耀がいないと生きられないから……」