契約 ページ9
私だって、初めて見た時に感じてた。
背中越しに見えた、あなたが抱えている『なにか』が。
私と同じ『虚しさ』なんじゃないかって。
チャンミン「寂しいもの同士・・ってとこかな。」
しばらくの沈黙の後、ふいにそう笑った。
A「あなたも・・・」
チャンミン「チャンミンです。」
A「・・・チャンミン君も。
忘れられない人がいるの？
だからあそこであんな風に飲んでたの？」
チャンミン「あそこは、思い出の場所だったから。」
驚いた。私と同じじゃない。
チャンミン「時々、色々とうまくいかなくなるとあそこに行ってボーっとしてた。
昨日は誰かさんに散々邪魔されたけど。」
いじわるそうに言ったけど、その横顔は何故か楽しそうに微笑んでた。
A「・・・シャワー、よかったら使って。」
服を拾い上げて、裸は直視しないようにいそいそとキッチンに向かった。
はぁ・・・
初めて会った男の人に、なんてシチュエーションなんだろう。
絶対しばらく、禁酒しよう・・
チャンミン「あ、俺も食べる。」
A「きゃああ！！」
ふいに脇から伸びてきた腕にびっくりして飛び上がると、チャンミン君が朝食に準備していたおかずをつまんだだけだった。
・・・抱き締められるかと思った。
私、自意識過剰すぎる。汗
真っ赤になった顔を上げられずに、包丁を動かしていた私を。
カウンターテーブルに座って、頬つえ付いたままジッと見てる。
シャワーから上がって、また上半身裸のまま首からタオルを下げてぬれた髪が色っぽい。
そんなに見つめられたら、挙動不審になってしまいそう。
A「はい、どうぞ。」
私の作った朝食を、彼は本当に美味しそうに頬張った。
二日酔いの私は食欲も出ない。
それにしてもこの人は、あんなに飲んでたのによくこんなに食べられるな。
チャンミン「俺、色々考えたんだけど。」
きれいに平らげたお皿に向かってごちそうさまをしながら。
チャンミン「契約しない？俺と。」
A「・・・は？」
チャンミン「んー・・
寂しい時だけ会う、彼女。」
・・・なに言ってんの、この人。
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なお(プロフ) - 環琉さん» こちらこそ、読んで頂きありがとうございました！ (2018年9月25日 21時) (
レス) id: 460cbb2093 (このIDを非表示/違反報告)
環琉(プロフ) - なおさんこんにちは。いつも素敵なお話ありがとうございます。 (2018年9月16日 11時) (レス) id: 3c1ded918f (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティ(プロフ) - こんばんは。一気に読ませて頂きました。今は亡き彼の墓前で「彼女を貰っていいですか？」って言うシーンには胸打たれました。チャンミンを良く理解しているギュのシーンも楽しかったです。最後は幸せな気持ちになりました。 (2017年6月8日 21時) (レス) id: 1eac5c6b24 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - なつさん» なっちゃーーん！元気？こちらは元気よ。仕事忙しいっす。相変わらず新作も書くことなく。でも暇だから（笑）見直して修正しちゃう。待たせる時間もドＳだからね。ちょっとずつ。苦しくなる、超重い話が書きたい。最近私病んでるからねw (2017年3月17日 22時) (レス) id: b5966abb7b (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - hakuさん» わー！すごく嬉しいです。コメント苦手なのに送ってくださってすごく励みになりました。最近更新ないですが、また現れたらこっそり遊びにきてくださいね。こちらこそいつもありがとうございます！ (2017年3月17日 22時) (レス) id: b5966abb7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2014年6月5日 13時
