〜Changmin〜Jealous

波〜CM〜 ページ19

ブツブツ文句を言うAを尻目に、俺は待ち合わせのカフェの奥の席に座っていた


A「絶対！なにがあっても話かけてこないでよ！？」


緊張した面持ちのAを見つめながら、複雑な思いでコーヒーをすする


・・・俺、こんなところまでついて来て何してんだろ。とは思う


でも、どんな変なヤツが現れるか分からないし


ただの友人としての心配


そう、それだけ・・・のはず



それにしても、あいつ今日メイクが濃いな


あんなひらひらしたスカート履いて、いつもより気合い入れやがって


・・・いや、まぁ


そうか


初めて、好きな男に会うんだもんな


そりゃ、おしゃれして来るよな


・・・・そう、今から好きな男と会うんだから




現実離れしたような気持ちになる


俺は一体、あいつのことを


どう思っているんだろう？


見つめる先のAが急に席を立った


お辞儀をしながら微笑む向かい側に現れたのは


背の高い黒髪のスーツ姿の男


顔が小さくて、


柔らかい笑顔で、


棒立ちのAを軽くエスコートして座らせた



・・・なんだ


優しそうな男じゃないか


欠点を探し出そうと、一生懸命目を凝らして見てみるけど


お互い笑顔で談笑する二人を遠巻きに見ているだけ



ふいに胸が痛くなった


そして、感じたことのないざわざわとした波が押し寄せる


彼氏が出来たのならあいつはもう、俺のそばから居なくなるかも知れない


・・・好きじゃない


俺は別に、あいつのことが好きなわけじゃないのに


どうしてこんなにも不安になるんだろう



認めたくなくて、自分の気持ちを見ないふりしていた


嫉妬の気持ちを自分で認めてしまったなら


もう戻れない感情になることを、よく分かっていたからだ

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