Chapter 6：貴方の全部が好き ページ1
最近、アイドルの彼女をやってる
自覚を持たされている気がする。
今までは思いもしなかった
ネイルを、ショートだけど季節に
合わせて色を変えるようになったし
私服も少しだけ大人になった気がする。
北斗くんと並んだ時に
がっかりされる事のないように
努力を重ねてきたのだけれど
一つだけ解消できていない悩みがある。
それは…
「胸の大きさ？
Aちゃん、めちゃくちゃ
綺麗な形のお胸じゃん」
そう言ってくれるのは
樹くんの彼女、通称ジュリカちゃん。
私がひどく酔っ払って
迷惑をかけた件について謝ってから
とても仲良くしてくれてる。
「あ、ありがとう// でもね
この間ここで樹くんと北斗くんが
“胸周りは大きい方がいいよねー”
って言ってるの聞いちゃったの」
「あのさぁ、2人してこんな素敵な
カフェで何の話してるの？(笑)
てか樹のやつ… 本当ろくなこと言わない。
私も胸小さいの知ってるくせに… 」
閉店間際の“Reverse”で女子会を
開くことが最近の楽しみでもある。
『ジュリカちゃんは樹くんと
付き合ってて自信無くなる時
ない…？』
「え、全然ある！っていうか
8割方自信ないよ(笑)特に樹は
人たらしだし遊んでた過去あるし？
いつでも捨てられると思って
過ごしてる(笑)」
『お二人すごいお似合いだよ？！
樹くんメロメロだし(笑)』
「いや、想ってくれてるのはすごい伝わるし
嬉しいのはもちろんだし、私も恥ずかしい
けど頑張って伝えてるんだよ？でもなんか
私、根本的に樹とルックスが合ってない
気がするんだよね」
『分かる！』
「樹の彼女って、もっと色気あって
愛想のいい女子！って感じの子を
イメージすると思うけど、私…
真逆じゃん？」
『えージュリカちゃん十分可愛いよ！
性格とか樹くんとお似合いだし(笑)』
アイドルと付き合ってるっていう
安易に他人に相談できない問題(？)を
抱えてるもの同士、毎回こういう感じで
すごい盛り上がっちゃう。
樹くん、普段はあんなに惚気てくるのに
素直に彼女には伝えてないところとか…
可愛いところあんじゃん(←)。
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作者名：あいびー | 作成日時：2024年3月23日 9時
