片思いエスプレッソ -Kei.I-

milk…9 ページ9

You side








A「あのー」




慧「……」




A「私、勉強出来ないんですよ」




慧「だろうね」




A「なっ、……」






無理矢理屋上に連れてこられ、伊野尾先輩はベンチに寝転ぶから私は横に腰を下ろす。






A「サボったりなんかしたらやばいんですけど」




慧「……」




A「…て、寝てるし」







まぁいいや。
2限目から出ればどうにかなる。


そう思って私もベンチの上に寝転んだ。


すーっと優しい春風が私を包み込み、あったかい日差しは私を照らす。

こんな好条件、なかなかない。


ふと目を開けると、ぶわっと桜が舞っているのが見えた。







A「綺麗…」




慧「んふふ、綺麗っしょ。
ここね、俺のお気に入りスポットなの」




A「そうなんですか……」







意外とロマンチストな一面もあるんだ。適当そうに見えるのに。だなんて口が裂けても言えないや。




体育の授業が見えて、現実に引き戻されるけど眠気には勝てそうにない。







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