片思いエスプレッソ -Kei.I-

milk…22 ページ22

You side








A「失礼します」




「はい」



A「へ、」







雑巾やらバケツやらと一緒に渡されたのは鍵。
そこに付いている小さなタグ。


『生徒会室』







A「なんで、生徒会室……」




「伊野尾が一人でやってるらしいんだ。手伝ってやれ」







生徒会役員の中で部活に入っていないのは伊野尾先輩だけらしい。

しかたなくそれらを受け取って、足取り重く生徒会室へ向かう。







A「失礼しまーす、掃除しに来ましたー」




慧「え、A？」




A「居眠りのバツで……」



慧「ほぇー、」






昨日のことがあったが特にお互い気にせず作業に入る。……とか言いたいけど、実は緊張しっぱなし。


しーんとした空気が嫌で、なんとか話題で繋ごうとするもすべて失敗。







慧「Aのクラスは何するの？文化祭」




A「和風喫茶…とか言ってました」




慧「着物着る？」




A「……みたいです」








珍しく話しかけてきたと思うとコレ。








慧「一緒にまわらない？」




A「へ、」







気がついた頃にはもう遅い。



魔の手(伊野尾先輩)はすぐそこまで迫っていた。






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