片思いエスプレッソ -Kei.I-

milk…21 ページ21

You side









A「ぶん、かさい……」






午後の授業は文化祭のクラスの出し物決め。
ちなみに去年はフランクフルト。

安いしカンタンだしいっぱい売れるし。







「演劇したい！」



「俺お化け屋敷ー」



「メイドカフェは？！」



「てめぇが見てぇだけだろ」






ワイワイガヤガヤとたくさんの声が響く中、
私は必死に寝ていた分の授業のノートをとる。








「和風喫茶は？」



「何それー」



「和服着る系のやつ？」



「そうそう！」







へぇー、和風喫茶ねー。
着物かぁ、長らく着てないな。


なんて呑気に右から左へと聞き流す。

裏方でいいや。楽そうだし。



そう思って再びノート写しに集中。


売り子は毎年すぐに決まる。裏方は余る。
それがウチの学校のあるある。



放っておけば自然と裏方にまわれる＿＿＿＿＿＿









「有岡ー」







ふとAを呼ばれ、返事を返す。







A「なにー」




「お前売り子なー」




A「わかっ…………へ？」








選ばれた理由は色が白いから。

馬鹿じゃないの…………？







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