片思いエスプレッソ -Kei.I-

milk…19 ページ19

You side







大貴「ふぁー……」



A「はい、どうぞ」







眠そうに欠伸をする兄の前に目玉焼きとベーコンが乗った皿を置くと、一瞬で目に輝きが戻ってきた。


火曜日と金曜日は朝練がない(らしい)。
珍しく早起きした私たちはなんとなくゆっくりモーニングタイム。







大貴「あ、そうだ。
A、山田と付き合ってんの？」



A「は、何言って……」



大貴「昨日一緒に帰ってるとこ見たってー…友達が。

まぁ、俺は応援してやるから安心しろよ！」






ドヤ顔で鼻息を鳴らすけれど、
そんな事実一切ない。








A「別に、付き合ってるワケじゃ」




大貴「でもAは山田のこと好きなんだろ？」



A「はぁっ？」



大貴「兄ちゃんなんだから見てて分かるよー」






ペロッと舌を出して、お兄ちゃんは食べ終えた皿をキッチンに運んでいく。








A「好きじゃないから」




大貴「へぇー、」




A「信じてない」




大貴「Aって嘘つく時のクセがあるからわかりやすいんだよなぁ、」








意味深な言葉を残しながら洗面所へ向かおうとする彼が憎い。

すべてお見通しなんだ。


……それに、私もその淡い気持ちを認めてしまっていた。







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