片思いエスプレッソ -Kei.I-

milk…11 ページ11

You side








A「はぁ、……」





薄汚い雑巾をめいっぱい絞る。

今まで使われていない教室だけど、文化祭で使うから綺麗にしとけ。

そう言われたらサボるにもサボれない。



雑巾を持って、ダダダッと前のめりに雑巾がけをする。








「あ。パンツ」




A「えっ？うわぁ！」






声が聞こえ驚いた勢いで壁にぶつかる。

今日はほんとついてない…







A「……あ」




慧「怒ってる」



A「当たり前です」







私はその場にぺたりと座り込む。
伊野尾先輩はその真逆の教室の端っこに座る。

つまり教室の端と端。

はぁ、と伊野尾先輩はため息をひとつついて立ち上がり、こっちに歩いてきて私の目の前でしゃがんだ。





A「！！」






ふわっと包み込まれた私の頬。

伊野尾先輩は楽しそうに笑ってる。








慧「キスできるね、この距離」




A「な、何言ってるんですか」




慧「嫌いじゃないよ、俺」




A「へ、？」




慧「ミサキちゃんのこと。」




A「……」







なんっか…………むかつく。








.

milk…12→←milk…10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す