片思いエスプレッソ -Kei.I-

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You side







｢はい、これ。

こっちは視聴覚室で、こっちは生徒会室｣




どっさり積み上げられたソレを目の前に、私はぐたりと項垂れた。







A｢まじ……ですか、｣



｢遅刻したのは誰だ？
ったく、兄妹揃って堂々と………｣






入学２年目にして未だ遅刻グセが治らない。

なんでかって？
私を起こしてくれるはずのお兄ちゃんが寝坊するから。






｢アイツは部活があるんだからお前が兄ちゃんの分も居残り手伝え。わかった？｣



A｢………はぁい｣







私が返事したのを聞いて、担任の太田は職員室に帰っていった。



太田。
名前負けしない体型の30代おじさん。独身。





よっこいせ、と紐で縛られ2つに分けられたテキストやらを持ち上げる。

ふと見ると、窓から夕焼けが見えた。







渡り廊下を歩いて階段を上ってすぐ右の視聴覚室に一つ目の荷物を置いて、次は生徒会室。

もう一つ上の階だ。

トタトタと1人階段を登っていく。



そういえば、生徒会室なんて入るの初めてのかも…………




少し緊張気味ながらも、なんとか扉の前まで来てふと気づく。

……両手塞がっていてノックできない。



視聴覚室は、部屋の前のテーブルに置くだけだったから気にもならなかった。






A｢………あの、｣






扉越しじゃ聞こえないだろうな
なんて思いつつも声をかけてみた。





A｢……う、わぁ！｣






ガチャりと突然扉が開き、白く細い綺麗な手が私の手首を掴んだ。







.







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『片思いエスプレッソ -Kei.I-』

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