この子、彼氏じゃなくて夫です【松野千冬】

しゅきぴ28 ページ29

千冬則について聞くと、スカートは適度な長さに、ボタンは上まで閉めるなど全然普通の校則みたいなものだった。

中には、視界に男子を入れないってあったけどそれは無理じゃないかな。




「千冬ぅ、もうすぐで予鈴なるから教室行こーぜ」

「はい！」

2人が歩き出したので私も後をついて行く。

いつも手洗い場の鏡で前髪チェックしているのでサッと確認すると耳に何か違和感を感じた。

耳元で輝く輪っか状の何か。
私は普段イヤリングなんてつけてない。

ピアスもあけていないし、このイヤリングを買った覚えないし…と鏡の前で狼狽えていると。


「お、似合ってる」

『千冬くん、？！』


ヒョイ、と頭の上に顎を乗せる千冬くんがいた。
先行ったんじゃ…？


よく見たら、千冬くんと同じようなデザインのイヤリングが付いている。
千冬くんはピアスだからちょっと違ったけど。



「お揃いのもの欲しいなって…Aピアス開けてないし、イヤリング」


だめ？って目をうるうる。

うぅ、私前からこの顔に弱いんだよ……



『うん、かわいいしかっこいいからいいよ』



頭をよしよしってすると笑顔を見せてくれた。

千冬くん笑顔かわいいのずるいと思う



「Aピアスあけないの？」

『高校卒業したらあけようかな……』



私の耳をふにふに触って、髪を耳にかける。
耳朶にグッと力が入ったと思ったら。


「Aのピアス俺があけたい」



何が楽しいのかわからないけど、すごい笑顔だったので素直に頷いておいた。



「……今日で千冬の悪い顔全部見た気がするな」

「悪い顔してるつもりはないですけどなんか楽しいっす」

『今日の千冬くんいつもと全然違くて差に風邪ひきそう』





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