しゅきぴ22 ページ23
千冬side
彼女は部室に来てもいいと言っていたので、楽器を吹いている姿を見たくてそーっと音楽室を覗く。
幸い誰も俺に気づいていなくて、怖がられることもなかった。
姿を探しても、どこにもいない。
彼女以外の生徒はみんないるように見えた。
あれ?
おかしい。
教室に一旦戻って、勉強している場地さんに声をかける。
「Aがいないんですけど、どこにいるか知ってます?」
「オマエが知らなくて俺が知ってるわけねぇだろ」
ですよね。そう返事をしてまた教室を出た。
うーん?
屋上の階段とか?……今日あったこと思い出すから出来れば行きたくない…
一応行ってみたけど、Aの姿はなかった。
また教室へ戻ろうと思ったら、後ろから「千冬ぅ」と声がした。
振り向くと、いつものメガネを外し髪を下ろして立つ場地さんと、おぶられてるAがいた。
「A、?!」
「あー、なんか絡まれてた。んで薬飲まされたっぽい」
急いで近づくと、Aから甘い匂い。
これは……
『ち、ふゆくん…』
とろんとした目は熱っぽくて、よく見れば沢山の汗をかいている。
薬…危ないやつ?!
場地さんは教室の椅子にAを下ろして、「じゃあお前ヨロシク」といって離れていった。
未だにぼーっとしている彼女の前に腰を屈めて目線を合わせる。
顔は真っ赤に染まり、汗をかいている所為かシャツが体に張り付いて下着のラインが見えてしまっているため、少し目のやり場に困った。
「Aー?聞こえる?」
『ちふゆくん、!!』
「はーい。…何があった?」
安心したように目にいっぱい涙を溜めるA。
頭をヨシヨシってしてあげると、『うーっ』と声を出しながらポロポロ泣き出してしまった。
『ちふゆくんちふゆくん……!!』
「おう、松野千冬だけど」
涙を拭ってやりながらしゃくりをあげるAの背中をさすってあげる。
…甘えたさんみたいでかわいい
『ちゅーしたい』
「はいはい……え?」
俺の返事を聞く前に触れる唇。
Aがぎゅーっと抱きしめてくるから、がっちりホールドされて逃れられない。
何度も角度を変えてキスしてくるので息が続かない。少しずつ酸素を吸って保ってたけど、Aは余裕がないらしく酸欠になりかけていた。
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ゆぅり(プロフ) - え、サランヘヨ使えてる・・!!もしや、Kぽ女子か?! (2021年9月25日 11時) (レス) @page5 id: 39bfe8c53b (このIDを非表示/違反報告)
名前 - 面白いですね!更新頑張ってください(*゚▽゚*)なのさん!応援しています (2021年9月12日 1時) (レス) id: 14a4d572b2 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続編よければ書いてほしいです!!楽しみにしてます! (2021年9月6日 17時) (レス) id: 6485b8cd5e (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 続編期待してます(((出来れば、中学生編とかも少しとか、嫉妬させるのとか、入れて頂けると飛びます(((自分勝手なお願いばかりで恐縮です…!無理を承知で、御検討の程、よろしくお願いします!!長文失礼しました!! (2021年9月6日 16時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - コメ失礼します!!!この作品は私の生き甲斐で、毎日の支えなんです!!!もっともっと沢山続編作って、永遠に終わらせないで下さい(((もうこのお話大好き過ぎます本当に!!!これからも応援してます!! (2021年9月6日 16時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なの | 作成日時:2021年8月25日 8時