検索窓
今日:24 hit、昨日:34 hit、合計:210,949 hit

#言わないと_T ページ25

.





授業が終わって職員室でホッと一息ついていると、急に原田先生に呼び出されて何故か今屋上にいる。

何だろ、俺何かやらかしたっけ?なんて思っていると原田先生は俺と目を合わせて口を開いた。



「アンタ、Aに告られたんだって?」


「え!?何で知ってるんですか、」


「ま、風の噂でね。何でフったの?」



ほんとに遠慮無いなこの人...そう思いながらその問いにボソボソ答える。



「だって、俺とAは教師と生徒って関係で、歳もだいぶ離れてますし...」


「それだけ?」


「そ、それだけって...大事なことじゃないですか」



それを聞いて原田先生はため息を吐く。分かりやすく呆れてる。



「教師と生徒だとか、年が離れてるだとか、そんなの恋愛には関係ないでしょ?」


「それは原田先生だから言えるんですよ...大体未成年に手出すなんてそんな、」


「あのねぇ、その事をあの子が分かってないと思ってんの?全部分かった上でアンタのことが好きだったのよ。その気持ちに答えてやらないでどうするの」



そう言われて頭の中に浮かぶあの時の悲しそうなAの表情。あんな顔見たことなかった。見たくなかった。



「好きなら好きって言えるときに言っとかないと後悔するわよ。人間いつ死ぬか分からないんだから」


「原田先生...」



どこか悲しそうに言う先生の言葉には重みがあった。...でも、今更気持ちを伝えてAは喜んでくれるんだろうか。

そう思っていると原田先生は俺の腕を掴んでくるりとドアの方に向かせ、強く背中を叩く。



「ほら、早く行きなさい!女の子の気持ちは変わりやすいんだから!」


「...はい、!」



Aがどこにいるかなんて分からなかった。けど、今すぐ言わないといけないような気がして、俺は走って屋上を後にする。



そのまま宛もなく廊下を走り、見付けた小さな背中。



「A!!」



ゆっくり振り返り、俺を見て目を丸くする彼女。

Aが立ち止まった所は、あの日俺がAを傷付けてしまった場所だった。






.

#好きだ→←#居残り



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (210 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
826人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

青龍 葵(プロフ) - まるる。さん» 態々、お知らせして頂き有難う御座います。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 2dfc35dd30 (このIDを非表示/違反報告)
まるる。(プロフ) - 青龍 葵さん» 移行先は明日投稿してこちらでお知らせするので、もう少し待っててください(>_<) (2019年7月6日 19時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 後、少しで終わっちゃうと思うと寂しいですが、続編などあればと思いながら移行先は何処にあるんでしょうか? (2019年7月6日 16時) (レス) id: 2dfc35dd30 (このIDを非表示/違反報告)
まるる。(プロフ) - ひるくさん» ありがとうございます!!結構力入れて書いたのでそう言っていただけて嬉しいです...。これからもよろしくお願いします! (2019年6月30日 16時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
ひるく(プロフ) - 最新話……最新話最高です……ありがとうございます……沢山読み返して胸キュンに浸ってます!これからも応援し続けます頑張ってください! (2019年6月30日 13時) (レス) id: bbffd7f7da (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まるる。 | 作成日時:2019年6月16日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。