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#すきです ページ18

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夕日が射し込む廊下を1人寂しく歩く。


理由は簡単。今日提出のプリントをやるの忘れてた。前もこんな事があったとき明智くんが手伝ってくれたけど、今回は1人だったからまぁ時間がかかってしまった。

早く帰ろ、そう思い早足で廊下を歩いていると、前からこちらに歩いてくる人影。



「あれ、A?まだ居たのか」


「あはは、ちょっと提出物が終わってなくて...」


「お前なぁ...ちゃんと家でやらなきゃだめだろ?」


「...はぁい」



なんて田中先生に怒られちゃったけど、帰る前に会えたなんてラッキー。

そう心の中で喜んでいると、急に田中先生が私と距離を詰めてきた。



「え、ちょ...っ」



スっと綺麗な指がこちらに伸びる。私は咄嗟に目を瞑る。



「...ん、取れた」


「へ、?」


「あ、ごめんな急に。ホコリ、ついてたからさ」



そう言ってにこりと笑う先生。何だホコリか...なんて肩の力が抜ける。


そして気付いた。顔が近い。

夕日に照らされて少し橙色に染まっている肌。真っ直ぐ私を見る瞳。ふわりとカーブのかかった茶色い髪。

見れば見るほど全てがかっこよく見えて、ドキドキ心臓が音を立てる。先生は何も言わない私を不思議に思ったのか、ゆっくりと首を傾げた。それすらもかっこいい、と思ってしまう私はきっと重症。



「A、?どした?」


「...せんせ、」


「ん?」



「すき、です」




ポロッと出てしまった、ずっと飲み込んできた2文字の言葉。自分でも何で今言ったのか分からなかった。

先生は驚いたように、ただでさえ大きい目を丸くする。それからすぐに眉を下げて言った。



「...A、俺とお前は教師と生徒、だろ?それに、歳も離れてるし...」



分かってた展開だった。先生が、ありがとうって言ってくれるわけないって。
でも、どうしても悲しくて、先生を困らせてる自分が情けなくて、私は慌てて笑顔を作る。



「...そう言うと思ってました」


「え、」


「ごめんなさい、忘れてください。...それじゃあ、また明日!」


「ちょ、A!」



とにかくその場から離れたくて、私は走って下駄箱へと向かう。後ろから先生の困った声が聞こえたけど、止まることは出来なかった。



それから急いで靴を履き替え学校を出る。


凄く悲しくて、凄く苦しくて、凄く辛いはずなのに、何故か涙は出なかった。







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青龍 葵(プロフ) - まるる。さん» 態々、お知らせして頂き有難う御座います。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 2dfc35dd30 (このIDを非表示/違反報告)
まるる。(プロフ) - 青龍 葵さん» 移行先は明日投稿してこちらでお知らせするので、もう少し待っててください(>_<) (2019年7月6日 19時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 後、少しで終わっちゃうと思うと寂しいですが、続編などあればと思いながら移行先は何処にあるんでしょうか? (2019年7月6日 16時) (レス) id: 2dfc35dd30 (このIDを非表示/違反報告)
まるる。(プロフ) - ひるくさん» ありがとうございます!!結構力入れて書いたのでそう言っていただけて嬉しいです...。これからもよろしくお願いします! (2019年6月30日 16時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
ひるく(プロフ) - 最新話……最新話最高です……ありがとうございます……沢山読み返して胸キュンに浸ってます!これからも応援し続けます頑張ってください! (2019年6月30日 13時) (レス) id: bbffd7f7da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まるる。 | 作成日時:2019年6月16日 10時

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