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軟高のツッパリを引き連れて私達は開久の門を跨ぐ。
校舎は軟高と同じ高校とは思えないぐらいボロボロで汚くて、思わず顔を顰めてしまう。
「いい?無茶しないこと、危ないと思ったらすぐ逃げるのよ」
「うん、理子ちゃんもね」
私達はそう約束し校舎内へと入る。
そこでは殴り合いが繰り広げられていた。伊藤くんと今井くん、それに谷川くんで何人もの生徒を倒していく。...あれ、三橋くんがいない...?
そう思いながらもピンチになっている伊藤くんに気付き、彼を殴っていた開久の生徒に飛び蹴りを食らわせた。
「え、Aちゃん!!?」
「お待たせ、伊藤くん!みんな来てるよ、!」
これを合図に軟高のツッパリも加戦する。
私も殴って蹴ってどんどん倒していく。...倒れる途中で「白か...」とか聞こえたのは気の所為って事にしよう。
するとその時、ひとつの声が廊下に響いた。
「三橋をやりました!!!!」
パッと振り返るとそこには生徒が2人、それと顔が血塗れの三橋くんがぐったりとしていた。
彼らは三橋くんをズルズル引っ張って歩いていく。...あれ、血ってあんな色してたっけ。
そのまま相良さんであろう人に近付く。相良さんは嬉しそうに口角を上げていた。
「やるじゃねぇか、お前らどこでコイツやったんだよ」
「それが、下で倒れてたんすよ。誰がやったかは分かんなくて...」
「...は?」
次の瞬間、三橋くんがぴょーん!と言いながら立ち上がる。やっぱり、あれはケチャップか何かだったんだ。
「三ちゃんパーンチ!!!」
そう言うと三橋くんは相良さんの顔を思いっ切り殴った。数メートルは吹き飛んだな、痛そう。
三橋くんは佐川くんが取られたお金を取り返し、私達軟高の生徒を校舎から出す。
1回私達と同じように校舎を出た三橋くんだったけど、チラリと校舎を覗き込んで一言。
「これで俺が千葉最強だかんな!!!!」
...やっぱり三橋くんはかっこいい、軟高のヒーローだ。なんて、改めて思った。
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ソウ - はじめまして!ソウです!読ませていただきました!めっちゃ面白かったです!これのおかげでまた今日から俺は大好きになりました!ありがとうございます!!( ≧∀≦)ノ (2019年8月21日 20時) (レス) id: 8344a9dd37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるる。 | 作成日時:2019年4月30日 14時