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理子ちゃんに化粧をしてもらうこと十数分。目開けていいわよと言われ、そっと目を開けてみる。
「じゃーん!どう?いい感じじゃない?」
「わ...すごい、私じゃないみたい...」
理子ちゃんが持つ鏡に映る自分はいつもより可愛くなっていた。これが化粧の力...すごい。
これならきっと三橋くんも可愛いって言ってくれる。うん、大丈夫なはず。
「ほら、三ちゃんに会いに行くわよ」
「あっ、ちょっと!まだ心の準備が!」
そう言い返すも理子ちゃんは私の手を掴んでそのまま教室に向かって行く。...いざ会うとなると緊張するな。
「三ちゃーん!」
「おぉ理子、何だよ。てかAどこにいるか知らね?気付いたらいなくなっててよ」
「Aならここにいるわよ、ほら!」
「ちょ...!!」
理子ちゃんは私の肩を掴んで三橋くんの前に私を突き出す。
三橋くんと目が合う。彼は目を丸くして私を上から下までジロジロ見た。
「え...A...?」
「えっ、Aちゃん!?めっちゃ可愛い!いやいつも可愛いけど!化粧したの?」
「う、うん、理子ちゃんにしてもらったの。...変、かな」
「全然!むしろ似合ってる!な、三橋」
伊藤くんにストレートに褒められて恥ずかしくなり髪の毛を弄る。
ボーッとしている三橋くんの肩を伊藤くんが叩くと、彼は急に私の腕を掴んで歩き出した。
「え、なに!?どうしたの!?」
「A、行ってらっしゃーいっ」
「ちょ、理子ちゃん!!」
理子ちゃんと伊藤くんは何故か笑って手を振ってくる。...どういうこと?
何も言わない三橋くんに今はとにかく着いていくしかなかった。
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ソウ - はじめまして!ソウです!読ませていただきました!めっちゃ面白かったです!これのおかげでまた今日から俺は大好きになりました!ありがとうございます!!( ≧∀≦)ノ (2019年8月21日 20時) (レス) id: 8344a9dd37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるる。 | 作成日時:2019年4月30日 14時