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#63 ページ18

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人気のない廃工場。

ゆっくりとその中に入って足を進めると、そこにはヘルメットのアイツがいた。



「来てくれたんだ、女番長ぉ」


「...もうそういう事でいいや。言わせてもらうけどね、アンタみたいにヘルメット被って守り固めてるような卑怯者に軟高のテッペンは取らせないから」



そうハッキリと言えば、ソイツは言うねぇと薄く笑みを浮かべる。...ムカつくなぁ。



「ヘルメット被って3年間ずっと授業受けるつもり??だっさ、そんなんでよく学校来れるよね」


「何だとてめぇ...調子乗ってんじゃねぇぞ!!!」


「っ...」



バットを振ってこっちに迫ってくる。私はそれを交わして1発背中に蹴りを入れる。もう手加減しない。


その後も何度も蹴ったり殴ったり、それでもその子は立ち上がって攻撃を続ける。その根性だけは凄いけどもっと他に生かした方がいいと思う。



私は彼のバットを掴みそのまま背負い投げをして地面に倒し、お腹を強く踏みつけた。



「てっめぇ...とうとう俺を本気にさせたみてぇだな...」


「は?...っ!」



そう言う彼から慌てて離れると、その手にはナイフが握られていた。...ほんと、卑怯だ。


それでも何とかバットを交わし、ナイフも交わして蹴りを入れる。...けど、ナイフが手強い。あんなので刺されたらさすがに死んじゃう。



私はナイフに気を取られすぎていたらしい。廃工場に響く鈍い音。思わず力が抜けてその場に倒れる。

...バットで殴られるのって、こんなに痛いんだ。知らなかった。



「ははっ、女番長もここまでかぁ?」


「っ...卑怯者...!」


「何とでも言え...これで終わりだ!!!」




動けない私を容赦なくバットを振りかざす。次にくる痛みを覚悟した、次の瞬間、


私の目の前に、ヘルメット男の代わりに金髪の彼が立っていた。







「てめぇ...俺の女に手ぇ出すんじゃねぇ」






なんて、いつか聞いたセリフと共に現れた彼は、確かに私のヒーローだった。







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ソウ - はじめまして!ソウです!読ませていただきました!めっちゃ面白かったです!これのおかげでまた今日から俺は大好きになりました!ありがとうございます!!( ≧∀≦)ノ (2019年8月21日 20時) (レス) id: 8344a9dd37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まるる。 | 作成日時:2019年4月30日 14時

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