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Ren side
「ねー。聞いてよ。この前、うちの男の先輩が妙にAさんにつっかかってさー」
社食で1人昼飯を食べていると隣のテーブルで不穏な内容の会話が聞こえ始めた。
ピクリと耳が隣へ集中する。
「Aさんってアナタが慕ってる先輩でしょ？」
「そう！そのAさんに向かって『女を売りにして仕事手ぇ抜いてんの？』とか言っちゃって」
「なにそれ」
「なんか頼んでたらしい仕事内容にミスがあったっぽくて、上から指摘されたのが面白くなかったみたい」
「でもそれって最終的に確認するのは、その男のほうでしょ？ていうか、ミスがあったとしても完全に八つ当たりじゃんね」
「ほんとに。Aさん、今かなり忙しいのに無理に仕事振ってさ。上司に気に入られてるのが許せないのか、その人いつもネチネチ絡んでくるんだよね」
内容自体が胸糞悪いけれど。
せめて"Aさん"が違う人であってほしいと、強く願う。
「周りにわざと聞こえるように言うから、みんな気まずくなっちゃって。でも、そうしたら岩本さんがサッと出てきてAさんのこと庇ったんだよねー。あれ、めちゃくちゃカッコ良かった」
「えー、何それ。見たかった」
「あの2人って同期なのもあるけど、信頼し合ってる感じで素敵なんだよねぇ」
「確かに岩本さんって見た目怖そうなのに、そのAさんといる時はニコニコしてる印象しかない」
「でしょ？付き合ってるのかなぁ。…いや、まぁでも、そんなことがあったせいで、めっきりAさん落ち込んじゃってて…。元気出してほしくて、色々話するんだけど、その場では笑ってくれても1人でいる時、なんか辛そうで」
結果的にどれもこれも聞きたくない話だった。
やっぱりこの前会った時は既に色々抱えていたに違いない。
同じ部署ではないし、関係性も違うから、岩本さんみたいに庇うことが出来ないのは分かる。
でも、しんどい時に頼ってほしかった。
何度か気になって送った言葉は、Aさんにとっては何の意味も持たなかったのか。
〈ずっと返事しないままでいてごめんね。優しい言葉をたくさんありがとう。何とか仕事もひと段落しそうです。明日よろしくね〉
プレゼンを明日に控えた夜に、やっとAさんからの返信があった。
聞きたいことは山のようにある。ただ、どれを聞いても上手くはぐらかすだろうと思って止めた。
当たり障りのない言葉だけ送ると、それ以上彼女からの連絡は来なかった。
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ありぃ(プロフ) - るるさん» コメントありがとうございます！嬉しい言葉ばかりで感激しております。。。しかももう３回も読んでくださっているだなんて、感謝しても足りないくらいです。いつでもここの黒さんが癒しますので、またいつでも来てくださいね。こちらこそありがとうございました！！ (2021年12月19日 1時) (
レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
るる - めちゃくちゃ好きなお話でした。描写も細やかで、すごくイメージが出来ましたし、黒さんのセリフも絶妙でした。すでに３回読み返して、噛み締めております。素敵な小説を、ありがとうございます！！ (2021年12月18日 22時) (レス) @page33 id: 5db6c5f68c (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - まあさん» 初コメントいただけて感動しております…！ありがとうございます。説明文過ぎるかなぁとか、キュン要素はあるのか？とか自問自答しながら書いておりますが、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。お気遣いもありがとうございます！ (2021年12月11日 16時) (レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
まあ - 登場人物がそれぞれ魅力的で人間味があって、いつも楽しく読ませていただいています。毎日更新が楽しみでもあり、ありぃさんの負担になりませんように、と思っています。 (2021年12月11日 9時) (レス) @page27 id: c7a497417a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありぃ | 作成日時：2021年11月24日 23時
