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さっきまで少し離れたところで話していたはずのミンギュが、私の前に立っている。ホン先輩とファン先輩は顔を見合わせて課長達の元へと行ってしまった。
「あ、シン先輩飲んでたんですね…失礼しました」
「違う違う、私が何にも考えて無かっただけだから。こっちこそごめんね」
ミンギュは後輩が海へと向かったのを見て、掴んだ手のひらを離す。
「ミンギュも、ありがとう」
「うん」
ゆっくりと振り返ったミンギュは、やれやれと言った様子だ。確かに、また心配を掛けてしまった。気まずい空気が流れてしまう。
不意に、視界の端に何かが飛んできた。ミンギュが反射的にそれを跳ね返す。軽い音がしたので、きっとビーチボールだ。
「悪い！大丈夫？」
ビックリした…ミンギュもまだ状況が理解出来てないみたいで、声のする方へと顔を向けた。
「どうやったらこんな軽いボールがここまで飛んでくるんですか？」
「はは、ごめんな。Aにぶつかってない？」
名前を呼ばれて私も顔を向けると、スンチョルさんがいた。ボールを手に持つミンギュが不服そうな表情になる。
「はい、大丈夫です。でもこのボールならぶつかっても大丈夫そうですよ」
そう言うと安心した様子で微笑むスンチョルさん。
「あの〜、ぶつかったの俺なんですけど！」
挙手するミンギュに、スンチョルさんは小さく謝っている。
「キムミンギュもビーチバレーする？」
「後で行きます！ヒョン、フルネーム止めてくれません？」
「おお、俺もフルネームで呼ばれるの嫌い。気が合うな」
じゃあなんでフルネームで呼んできたんだと言わんばかりの顔に笑ってしまう。ビーチボールを返してもらったスンチョルさんがこちらを向いた。
「あんまり飲みすぎるなよ」
「はい」
行くわ、と走って戻っていってしまった。彼の背中を見つめていると、ミンギュの手のひらに邪魔される。
「ビックリした」
彼の手をどかして見上げると、また拗ねている。
「ダメ」
ポカンと彼の顔を見ていると、何だかさらに怒った様子で「本当にダメだからね！？」と念を押される。
「…見たらダメなの？」
「ダメ！」
さっきからそれしか言われません。
「それとも、こういうのもムカつく？」
本気で傷ついた様な顔で言われて、否定しようと思った。でも、その言われ方はやっぱり私も腑に落ちない。
黙っているとミンギュは行ってしまった。何だか、その場にしゃがみこみたくなる気持ちを押さえることしか出来ない。
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夏目(プロフ) - エルさん» エルさん、いつもいつも本当にありがとうございます(；；)一番試行錯誤した会社員ミンギュの現実感をお褒めいただけて胸がいっぱいです…！本当にいつも、私の伝えたいことや拘りを綺麗な文章にしてコメントを下さり、ありがとうございます！次作も頑張ります！ (2021年10月16日 21時) (
レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - まずはお疲れさまでした！繊細な感情のゆっくりとしたステキな描写が大好きだったので寂しい気持ちもあり、幸せな2人を見て満足な気持ちもあり^_^会社員のミンギュになんか現実感満載で←これ凄い 更に楽しめました！ありがとうございました^_^新作楽しみにしてます！ (2021年10月16日 2時) (レス) id: 2a8565ccfe (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - あやちょるさん» あやちょる様、定期的にコメントしてくださりありがとうございました！そう言っていただけて、本当に嬉しいです。こちらこそ、素敵なコメントをありがとうございました(；；)次回作も頑張ります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。最後まで楽しんでいただけてとても嬉しいです。私もまる様のコメントに安心して、心温まりました…次回作の応援までありがとうございます。これからも励んでまいります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
あやちょる(プロフ) - 最後までお疲れさまでした。更新が毎回楽しみな作品でしたので、終わってしまうのが寂しいですが…素敵な時間をありがとうございました!新作も楽しみに待ってます! (2021年10月15日 16時) (レス) @page50 id: 702326c54a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年8月30日 7時
