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次の日、出社するとミンギュと廊下ですれ違う。
さすがに気まずくなるかと思ったのにミンギュはいつもの笑顔で「おはよー」と言ってきた。
「おはよう」
私もいつも通り返すと、笑って私の横にやってくる。
「企画書、経理に出しといたから」
「ありがとう。私がお昼に出そうと思ってたのに」
私の言葉を聞いたミンギュが、立ち止まった。
「元気？」
企画書を捲りながら発された彼の声はあまりにも優しくて言葉につまる。黙っていた私を気にしたミンギュが、私の方を見てきた。
「うん、大丈夫。心配かけてごめん」
「へへ、大丈夫そうでよかった〜」
私のさっぱりとした返答に心底安心した様子のミンギュ。それだけ心配してくれていたのかと思うと、申し訳ないし、少しドキドキする。
再び歩き出した私たちは、一緒に営業部のオフィスへと入った。
「あ、そうだ。さっき経理部の先輩にここは厳しいかもしれないって言われた」
「やっぱり？安いプランにしたんだけど」
話しながらデスクに戻ろうとすると、強めの力で引っ張られた。突然のことに驚いたが、そこにいたのはファン先輩。
「ビックリした、おはようございます」
「おはよう！ちょっとミンギュ、うちのAにそんな近付かないで」
「うちの？勝手にヌナのものにしないでください！」
子犬と大型犬のじゃれあいにしか見えない。たまにやってる動物特集番組で見覚えのある光景だ。
「ふん、この前もミンギュ抜きで焼肉行ったんだから」
「は？聞いてない！なんで誘ってくれないの？！？」
穏やかな気持ちでやり取りを見ていたら、巻き込まれた。ホン先輩のデスクを盗み見たけれど、こんな時に限っていない。
「ミンギュが合鍵返してもらってた日だよ」
と返すと、「終わってから行ったのに…」とため息をつかれた。
「最近ジスも、うちのシンさん頑張ってますよってマーケティング部の課長に言ってたよ」
え、ホン先輩そんなこと言ってくれたんだ、と嬉しくなる私の顔を見て尚更ムッスリしてしまった大型犬くん。
「でも俺が一番仲良いですから！！」
…何のマウント？ファン先輩も呆れている。
「まぁそれは認めるけど」
「でしょ！？」
私にまで意見を求めないで欲しいけれど、取り敢えず頷いておく。
「Aも大変だね」とファン先輩に耳打ちされた。苦笑いを答えの代わりにする。
「今度行く時は誘ってよ？ヌナも！」
「善処するー」「はいはい」
ミンギュの微妙な顔に笑ってしまった。
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夏目(プロフ) - エルさん» エルさん、いつもいつも本当にありがとうございます(；；)一番試行錯誤した会社員ミンギュの現実感をお褒めいただけて胸がいっぱいです…！本当にいつも、私の伝えたいことや拘りを綺麗な文章にしてコメントを下さり、ありがとうございます！次作も頑張ります！ (2021年10月16日 21時) (
レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - まずはお疲れさまでした！繊細な感情のゆっくりとしたステキな描写が大好きだったので寂しい気持ちもあり、幸せな2人を見て満足な気持ちもあり^_^会社員のミンギュになんか現実感満載で←これ凄い 更に楽しめました！ありがとうございました^_^新作楽しみにしてます！ (2021年10月16日 2時) (レス) id: 2a8565ccfe (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - あやちょるさん» あやちょる様、定期的にコメントしてくださりありがとうございました！そう言っていただけて、本当に嬉しいです。こちらこそ、素敵なコメントをありがとうございました(；；)次回作も頑張ります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。最後まで楽しんでいただけてとても嬉しいです。私もまる様のコメントに安心して、心温まりました…次回作の応援までありがとうございます。これからも励んでまいります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
あやちょる(プロフ) - 最後までお疲れさまでした。更新が毎回楽しみな作品でしたので、終わってしまうのが寂しいですが…素敵な時間をありがとうございました!新作も楽しみに待ってます! (2021年10月15日 16時) (レス) @page50 id: 702326c54a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年8月30日 7時
