「Secret_Vol.14」 ページ15
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神ちゃんが、また以前のようによそよそしくなった。
何があったかは知らないが、またいきなりこうなってしまって。
目は合うものの、なかなか話は弾まないし。
何より、笑わない。
今までの笑顔の時間が全て燃やされたかのように、彼の笑顔はなくなった。
いや、無理やり中に閉じ込めたのだろう。
少し話をする時に、たまに作ったような無表情と低い声が見え隠れしている。
恐らく、神ちゃん本人の気持ちはそんなに変わってはいない。
彼を取り巻く環境下において何かしらの不都合があったから、今まで通りでは居られないのだと。
だから彼は、自分を殺した。
・・・とまぁ、こんなものだろうか。
彼に何があったのかは俺には分からない。
だが、1度本気にさせたのだから、責任は取ってもらう。
もし神ちゃんが俺が離れようとするのなら、俺が無理やり抱き留める。
そして、神ちゃんに我慢をさせる状況や人物は、悪いがタダではおかせない。
神ちゃんのためなら、どんなことだっていとわない。
世界から消えるか、神ちゃんと引き離されるか。
俺なら、後者の方が前者よりずっとずっと辛くて。
もはや俺の中で神ちゃんのいない世界は、味のしない料理を一生食べさせられるのと同じぐらい味気なくて、苦しいのだ。
1度彼との時間を体験して気付かぬうちに彼に依存してしまった俺には、もう普通の感情なんて残っていなかった。
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岡本まどか(プロフ) - にらさん» コメントありがとうございます!出会えてよかったとまで言って貰えるなんて・・・恐縮です笑 これからもよろしくお願いいたします^^* (2021年2月12日 17時) (レス) id: 36ad40152b (このIDを非表示/違反報告)
にら - えっ、好きすぎるんですけど?世界観最高すぎやしません??ほんまにこの作品に出会えてよかったですわ笑更新頑張ってくださいっ! (2021年2月11日 22時) (レス) id: 34a7964571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:岡本まどか | 作成日時:2021年2月10日 22時