Call My Name ！ Ⅱ (ページ4)

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　7月。梅雨がすっかり明けて、ジリジリと暑い日が続く。行事が沢山の時期になりました。

　そんな日のボクシング部のお話。

「ギブギブギブギブ！」

「ぬるい事言ってんじゃねえ、気合い入れろやぁ！」

「うわぁぁぁぁぁわ、わかりました！だからダンベル投げようとしないでください！！」

　朱はいつものようにブリッジするマッチョの上で胡座をかく。手には5キロのダンベル。腹筋背筋を鍛えるトレーニングである。

　自分の試合も無事終わり休暇期間であるけど何分コイツらも見なきゃならない。朱は束の間の休息の中気合を入れてた。

「主将！」

「アン？」

　ガラ、とボクシング部のプレパブが開くのと同時に2年で生徒会の森永が数枚の紙を手に入ってきた。

「なんだよ。また苦情か？」

「いえ。あ、それもありますが……球技大会の話です」

「…あ～」

　球技大会。この時期に行われる学校の恒例行事である。珍しい事にクラスではなく部対抗。スポーツ強豪校という事でどの部もレベルが高い。

　外から客を居れるほどの大きな行事である。朱は「休憩だ」と言ってマッチョの腹を降りてダンベルを持ち上げながら森永の書類を見る。

「で、それがどうした」

「生徒会から主将には今年も応援団長として参加して欲しいそうです」

「……………………」

　私は顔を顰める。今年で3年目である、応援団長。けど鈍い朱でも流石にその意味はわかってる。

　これは体のいい「見学」である。なんでも私は物を壊すしほかのスポーツはからきしダメらしい。参加する妥協案として学ランを着る羽目になるのは得心が行かない。そんな私に森永はフォローをいれるように言う。

「あ！でも勿論最後のリレーは参加許可が出てますよ！応援団長も3年し続けた主将なら完璧にやるという判断です！」

「わかった、わかった。やるよ、応援団長」

「………！あざーっす！！」

　森永は勢いよく頭を下げる。私はそのでかい後頭部をみながら大きな溜息をついた。まあいいか、気兼ねなく桜たち応援できるし。黄瀬は何をやるんだろうか………

　ふと思った。黄瀬？なんで黄瀬が出てきた？

　最近何かと黄瀬を考えるせいでおかしい。思考回路があの犬のような男を浮かばせる。ほんと、どうしたんだ私………

　そんなことを思いながら、私はダンベルを置いて練習再開、と声を上げた。