三十九話目【一条玲央 過去編4】 ページ46
「それで? なにをしたかったのか教えて貰えませんか?」
口調、表情、仕草は穏やかなのにとんでもなく怖いのはなぜだろう。
きっと、目が笑っていなくて、怒りに燃えているからだ。
「……」
転ばせよう…としたのだが全てかわされダンスが終ったあと、こいつと初めてあった裏庭つれてこられ正座させられた。
そして、怒られている。
「自分でも違うとは思いつつついつい信用できない辛さから逃げたいがために私が悪いことにして終らせようとしたのはわかります」
…怖い。エスパー?
「エスパーです。……顔に書いてますよおもいっきり」
顔………これでも、ポーカーフェイスは上手くなったと思っていたが…
というか、
「なんでお前が偉そうなんだよ」
そうだ、なんでこいつがこんなに偉そうなんだ。
「え?被害者だからですが?」
何一つ被害受けてないのに。ついつい、そう思ってしまう。被害者?でおかしくないのに
「被害をうけかけましたので。で?なにを、したかったんですか?」
「わかってんだろ?さっきお前が言ったとおりだ」
すると、目の前のこいつは驚いた顔をして、当たったの…?なんて囁く。
当てずっぽうだったのか?いや、そんなことはないと思うのだが…
「ただの鎌かけでした。………んん、わかりました。では、なにをするかわかりますよね」
咳払いをしたそいつは俺の目を見てしっかり、はっきりした口調でなにかをしろと問いかけてくる。
目をあわせるのが先程のこともあり気まずくてそらそうとするも頭を捕まれそらすことを強制的に阻止された。
「わからねぇ」
「はい」
わからない、なにを、望まれているのか。
謝罪か物でものぞんでいるのか、脅そうとしているのか。だから、素直にわからないと伝えるとなぜかはい、と答えられる。
「……謝れって言ってるんだよです。なんかのぞんでないし。一言悪かったって言って欲しいの、こっちわ、です」
一、二、三、四、五…………五十九、六十、たっぷり一分ほど俺とそいつが喋らない静かな時間が流れる。
パーティーで流れている音楽が少し聞こえて来ていたので目の前のそいつの視線から逃れるために音楽に意識を飛ばしていたところ、捕まれていた頭をさらに捕まれ敬語を使おうとして失敗したような言葉使いでやってほしかったことを説明してくれる。
「…悪かった」
特にいやがる理由もないので謝ると「心込めろ!」と叱られた。
…こめたし。
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ららるりな - あははははさん» コメントにきずくのが遅れてしまい申し訳ありません!この作品を拝見していただきありがとうございます!(※idが違いますが同一人物です) (2021年2月23日 13時) (レス) id: 0fefafb472 (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - 草 (2021年1月4日 17時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
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