三十八話目【一条玲央 過去編3】 ページ45
扉の前に立ったとき奥から声が聞こえてきた。「
頭が真っ白になり、その場に呆然と立ちつく俺を陽葵が無言で外へと連れ出した…はず。
その後もなにか話しかけてきていた気がするが…パーティが終わり俺を探しに来たのだろう人の足跡におれになにかを言いながら立ち去っていった…気がする。
その後、家に帰り、父上にこの事を話すと怒られた。「そんなことも理解してないのか」とか、「当たり前だろ、逆に利用しろ」とかを長々と大きな声で言われたと思う。
そのまま気がつくと学校におり、笑顔に、気さくに話しかけてくる二人を見て、なにか言いていれば変わってたかもしれないが、おれは…ただ、人が信用できなくなった
……
…
人が信じれなくなり数年がたった今、俺は小学三年になっており、嫌な思いでしかない、卒業パーティーに小一以来の参加をした…というか、させられた。
あまり参加をしたくなかったので壁際で終るのを待っていると一人の女の子に声をかけられた。
どこかで見たことのあるような無いような奴だ。
「お久しぶりです。一条さん」
誰だ?と、頭に浮かび上がるがそれを出すのはダメ…だから、顔にでないように気を付けて返事を返そうとした。
「陽葵です。潜入調査をしていた。以前、一度だけ裏庭でおあいしたことがあるのですが…覚えてますか?」
陽葵…潜入調査……あ
「…あの時の」
思わず呟いた俺にそいつは覚えてくださり光栄です、なんて言う。
「改めまして、望月陽葵と言います。あの、望月財閥の長女ですよ」
最後にウインクをしながら言ってくる。……あの、と言われても…あまりしらないからわからない。
「なんのようだ」
なんの思考があってこいつは話しかけてくるんだ?
「いえ、一曲どうかと思いまして」
一曲…ダンスか。
そんな気分にもなれないので断ろうと口を開きかけたとき、あることが、浮かんではいけないであろうことか浮かんだ
ーこいつのせいで今、辛いのではないかー
と。
絶対に違うし俺が精神的に弱すぎたせいなのだが……その、逃げるための責任転換に乗ってしまった。
「ああ、いいぞ」
その時、なぜだか陽葵の目が嫌そうな色を宿し一瞬頬を引きずった。
こいつせいで今、俺は辛いのだから、なにか嫌なことをしてやろ……と悩み、ダンスの最中に派手に転ばせることを思い付いた。
三十九話目【一条玲央 過去編4】→←三十七話目【一条玲央 過去編2】
4人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ららるりな - あははははさん» コメントにきずくのが遅れてしまい申し訳ありません!この作品を拝見していただきありがとうございます!(※idが違いますが同一人物です) (2021年2月23日 13時) (レス) id: 0fefafb472 (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - 草 (2021年1月4日 17時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ