三十七話目【一条玲央 過去編2】 ページ44
人がおおすぎて戻りたくなかったおれは陽葵の話に付き合うという名目を作り参加しろと言われているパーティから逃げた
「陽葵は何歳なの?」
「六歳!来年からこの学校に入るのよ!」
六歳ってことは一つ下か。
「そういう君は何歳?」
陽葵がおれにきいてくる。そういえば名前を言ってなかった。
「おれには玲央って名前がある」
「へー!玲央っていうんだ!そうそう、おにー様はね七歳で私の一つ上なの!」
なぜかはわからないが兄の話をしている陽葵。なんでだろう?
「そうなの?」
「うん!」
となると…同じ学年に陽葵の兄がいるのか。誰かはわからないけど仲良くなりたいな。
「あ!そうだ、玲央、おにー様と友達になって?」
「?いいけど…」
「やったー、おにー様ね、友達いないの!玲央もいなさそうだし素敵なことじゃない?」
友達がいない、のか。……おれはいる。勘違いをされているようだが俺にはいる。
「む、おれには友達はいるぞ」
「嘘だ!」
「いるし!」
「いないでしょ?」
なんなんだ、こいつ。
「いるの!」
「どこに?」
いると言うのに全く信じてない様子の陽葵についついカッとなり叩きそうになる。
「っ」
俺が手を振り上げて行動に出そうとした時ビクッと陽葵が肩を震わせ「ご、ごめんなさい!」と勢いよく謝ってくる
「あ、……おれこそごめん」
陽葵の姿にムカムカが消えた俺も謝る。
「そうだ、おれの友達紹介するよ」
「ほんと?」
「うん、ついてきて!」
友達がいると認めさせる方法を思い付いたので二人にあわせようとつれていく。
会場には流石に陽葵をつれて入れないので手招きで呼ぼうと考えていたら会場の、外にある休憩室の一つに入っていく二人をみつけた。
「こっち!」
「まって、さっきあそこに入った二人?」
「うん」
気がついたんだ、と少し嬉しい気分になったのもつかの間陽葵により一気に気分が落ちた
「絶対に違う」
また、ムカムカしてきたが落ち着こうと自分に言い聞かせ穏やかに聞き返す…つもりが厳しい口調になってしまった
「なんで」
「それは………でも、そうなの!あれは違うよ!」
「意味わかんない」
目線をあちらこちらにむけながらさらに陽葵は意味のわからない言葉を続けてくる
「だって、面倒だって言ってるもん」
「………じゃあ来てよ!」
二人にあわせればこんなことも言わないと扉の前まで行く。そこから…そこからおれは記憶が曖昧だ
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ららるりな - あははははさん» コメントにきずくのが遅れてしまい申し訳ありません!この作品を拝見していただきありがとうございます!(※idが違いますが同一人物です) (2021年2月23日 13時) (レス) id: 0fefafb472 (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - 草 (2021年1月4日 17時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
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