二十七話目【理由】 ページ34
「あーもう!一旦解散です!わかりました!?わかりましたね!ああ、陽葵は解散じゃないから」
兄さんが大きな声を出し、解散の声にいち早く反応して部屋を出ていこうとした私の腕を掴んだかと思ったら引っ張って私の部屋に行く。
「で?陽葵、さっきのはなんだ?」
おおう、これが殺気か。
「いや、さっき言ったとうりです」
「友人が〜ってやつ?」
「はい」
うんうん。私なりに兄さんを思っての行動なんだよ。……ちょっと楽しんでいたのは否定しないけど
「詳しく話せ」
「…さっき涼さんに軽く素バレしちゃったんでしょ?」
「…ああ」
軽くというかかなりなんだけどもね。
「聞かれちゃったし私以外にも知ってる人がいた方がいいと思ってたこともあってさ良い機会だと思ったんだよ。
ほら、愚痴の相手とかストレス発散相手が私以外にいた方がね?」
「……お前がいれば十分だろ」
関係ないがこう、拗ねてる表情とかさ無駄に絵になるよね。
「私にもしものことがあったらダメでしょーが」
事故とか病気とか。
もしも、はあり得るかもだし…。
それに家族だからこそ言え……口出しして欲しくないこととかある…よね?
「………だが……俺は…その」
「あー、あんまり親父の事は気にしない方がいいよ。大丈夫大丈夫。それに御影さんも葵もアイツも言いふらすような人達じゃないでしょ?」
親父が出てくる理由?兄さんへの枷?鎖?みたいな存在だからだよ。
五年前兄さんが荒れてたって言ってたでしょ?その原因の一つが親父なんだ。
親父の事を考えようとしてピンポイントで思い出すのが嫌になった私はそこで思考をやめた。
別に今は親父のことは余計だし考えなくても問題はない。
「まあ、な。あいつらは言うような奴らじゃないが………その、呆れたりとか」
「ないでしょ」
「……気分的に玲央と律貴にバレるのは嫌なんだよ」
んー、まあ、弱味じゃないけどそんなようなもんだしね。
「そっか。ま、なんだかんだ言って二人のこと苦手な部分あるしね、兄さん」
「まあ…」
兄さんも十分に天才だと思うんだけども御影さん達大天才との差が苦手というか嫌なんだよね。
我ながら酷いけどいい加減面倒になってきた。
「あの時の兄さんは二度と見たくないの…だから…ダメ?」
最終手段で可愛い子ぶって聞いてみる。
「わかった」
え?さっきまで苦虫を噛み潰したような表情だったのに笑顔になって了承したよ…
チョロくない?
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ららるりな - あははははさん» コメントにきずくのが遅れてしまい申し訳ありません!この作品を拝見していただきありがとうございます!(※idが違いますが同一人物です) (2021年2月23日 13時) (レス) id: 0fefafb472 (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - 草 (2021年1月4日 17時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
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