二十四話目【涼さん】 ページ31
「では、おくつろぎください」
そういって涼さんは部屋から退室していく。
ショートの黒髪で緑の目。顔立ちは派手ではないけれども整っており基本的に表情筋が動かない。
もうね、凄いよ。
「いえーい!」って声は楽しそうでも無表情だもん。
ある意味恐怖だよね、あれは。
まあ、モデルでも多分通用する美人秘書っぽいメイドさんが涼さんだ。
私が小さい頃から、私付きの人。そして今の私が出来たきっかけとも言える人物。
私の能力はこの人によって判明したし。
ちょっと……不思議な趣味というか感性というか……服とか絵とか持ち物とか結構不思議な形のものを持っている人。
……大恩人とも呼べる人物で信用できる人だ。
「それにしても…メイドさんなんているんだ……………………ますますお城…」
「なんですか?家に言いたいことがあるのならハッキリと言ってくださいまし、聞こえませんわ」
「神坂さん、ここは望月さんの家ですよ」
「……そう思うのならば私にも許可を取ってくださるとよかったのですが」
上から小声の葵
何故か自分の家のように振る舞うやよやよ
一見注意しているが興味は向こうで話している男性陣に向いている雪野さん
その雪野さんの妄想に色々と思うところのある私だ。
当然のように涼さんが男女に分けて席に座らせたためちょっと兄さん達がいる場所と私達がいる場所は離れている。
向こうの男子どもが来たそうにしているが何も見ても聞いてもいなかったことにする。
あと、兄さんがなんか怒りながらこっちに来ているのも見なかったことにする。
「…陽葵」
はっはっは、何も聞こえていない
「……陽葵ちゃん?」
私はなにも、知らない、ええ、知らない
「………ごめんなさいね、少し陽葵を借りてくよ」
ごめんなさい、違うんです誤解なんです、あの、ちょっとした出来心で……
「へ?は、はい……………どうしたの?陽葵ちゃんなにかしちゃったの?」
葵、いいかい?好奇心で聞いちゃダメだよ?答えないから
「んんっ………はい、問題ないですよ」
雪野さん?違うからね?いまだに球技大会の時の三角関係妄想続いてたの?ねぇ?違うよ?兄さんが気迫纏ってるのは別の理由だよ?
「?なぜ聞くのです?」
うん、やよやよは、やよやよだね…
「ありがとう、じゃあ、きてね?」
「…………ハイ」
4人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ららるりな - あははははさん» コメントにきずくのが遅れてしまい申し訳ありません!この作品を拝見していただきありがとうございます!(※idが違いますが同一人物です) (2021年2月23日 13時) (レス) id: 0fefafb472 (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - 草 (2021年1月4日 17時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ