二十三話目【メイドさん】 ページ30
「彌生さんすみません、ではどうぞお入りください。こちらです」
うん、兄さん……ごめんよっ！無理だっ…………みんなを家に入れるよっ！
…………あっ…涼さんと釘合わせちゃったか。そうか。うん。ドンマイ。
って、え？………私は何も聞かなかった。よし
「ええ」
あーあ、入ってきちゃったよ。……………入れたのは私だけどよ。
「さ、こちらですよ」
久我から引き剥がすように葵の腕を引っ張り久我を人睨みしておく。
そんな風に葵にベタベタしてると祖父母さんに婚約者でもあてがわられるよ？
という思いを込めて。
残念ながら伝わらなかったようだけれど。伝わって欲しかったな……。
久我よ、君を思ってないからでもなく葵のことを過保護に守っているわけでもなくっ！
私は久我海翔君、君を心配しているんだよ？
まあ、伝わってないけども…
「へ？うん………？」
あらら、久我が私を睨んでいる理由がわからないとは……………葵ちゃん、鈍感ね〜
「いらっしゃい、出迎え出来なくてすみません」
家の中に入りリビングへと向かう途中階段から兄さんがにこやかに私を睨みながら降りてきた。
やっば、怒ってる……
「悠希か……」
「ゆ、う、き〜、なんでこれなかったのぉ？」
心野がなんっか……とりあえず一応のために葵からの兄さんへの評価を落としたくてあら探しついでに質問している。
うわーお。心野ー
「少々手が離せない仕事をしてまして…」
仕事(部屋の片付け)ね。今は涼さんがやってくれているみたいだけど。
「……へ〜？」
おおー、なんか不思議と怖い音声だな。
副音声で『なんで陽葵ちゃん睨んでたの〜？』って聞いてるけど兄さんは無視してる。
「悠希、俺らはどこ行きゃ良いんだ？」
そこで今までほぼ空気とかしていた新堂が兄さんに声をかけている。
「皆様ご案内しますのでこちらへどうぞ」
いきなり声がかかり皆がビックリしている。葵に至っては「どぅっへぇ！？」って奇声を上げている。
「め、メイドさん！？」
奇声の後はそれか〜
「ええ、涼リリア、私付きの人ですよ。ああ、メイド服は彼女の趣味なの、私の趣味ではないですからね？」
涼さんの紹介は葵に向けて、残りは葵に言っているかのように見せて、人の趣味を一瞬にして勘違いしかけた、一条、心野、雪野さん、久我に向けて言った。
「へー、そうなんだ…よろしくお願いします…？」
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ららるりな - あははははさん» コメントにきずくのが遅れてしまい申し訳ありません！この作品を拝見していただきありがとうございます！(※idが違いますが同一人物です) (2021年2月23日 13時) (
レス) id: 0fefafb472 (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - 草 (2021年1月4日 17時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
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