二十二話目【十一人もの来客】 ページ29
「いえ。お礼を言われるほどではありません」
一条は別だけど。
「あら?…あおいー!こっちですよー!」
道路の向こう側にてポカーンとした感じで口を軽く開けこっちを見ていた葵。
家を見て、驚き突っ立っていたから驚きから戻ってくるまで放置してようと思っていたのだけれど…
兄さんのための時間稼ぎに使おうと思い声をかけた。
ごめんね!葵!しょうもない理由で心の準備をぶち壊して!
準備中に話しかけてごめんね!
「!…あ…陽向ちゃん…お、大きい家…だね…」
そこまで驚かなくても………ねぇ?
………いやいや、城って大袈裟だよ?大袈裟。葵『まるでどこかの城みたいな家…』って大袈裟だよ〜
「あっおいー!おいでよ、そんなところで固まってないでさっ!」
久我が我先にと葵の側に駆け寄り声をかけている。
そして、片腕をとり、こっちにつれてきている。
「…百瀬も今日くるのか…」
御影さんが葵のほうを見、少し驚きながらポツリと漏らす。
知らなかったんだね…御影さん。
「ええ、"たまたま"皆さんと日にちが被ってしまったようなのです」
「そうか」
一定の人物に向けてたまたまを強調しながら答える
………さて、どうやって時間を稼ごう。
………兄さん、一時間は無理。
もう、
ちょっと変な人だけど有能だよ?
というか涼さんだけは今日客人来るからって呼んでるのだけれども……
「ひ、な、た、ちゃん!」
「っ…!な、なんですか?」
あ、ごめん、思考トリップして話しを全然聞いていなかったや。
誰か教えて……くれないよね。
葵の話を無視するなー、的なこと思うなら内容を思ってくれ。
「とくにはないよ…えーと…陽葵ちゃんの家に、はしゃいでただけだから…」
ちょいと恥じらいながらそんなことをおっしゃる葵。
ああ、それで一言も返さなかった私をふしんがって、熱中症かもとかいう斜め上に思考がぶっ飛んでいって大声で名前呼んだのか。
あ、ふしんがってー、は想像だけど熱中症は葵が『熱中症になっちゃったのかと思ったなんて言えない』って思ってくれたから判別したよん。
「ところでさっさと入れてくれます?暑いですわ」
や、やよやよ……あ、ヤバイみんな入れろー的な空気に…!
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ららるりな - あははははさん» コメントにきずくのが遅れてしまい申し訳ありません!この作品を拝見していただきありがとうございます!(※idが違いますが同一人物です) (2021年2月23日 13時) (レス) id: 0fefafb472 (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - 草 (2021年1月4日 17時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
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