二十.五話目【《閑話》6月24日 前編】 ページ24
「誕生日おめでとう!岩倉君」
「おめでとうございます」
「岩倉、おめでとうですわ」
「おめでとう、由弦」
「おめでとうー!」
「おめでと〜う」
上から、葵、兄さん、やよやよ、久我、いずみん、心野の言葉である。
いや、一条……あんたも祝いの言葉あげなよ。……あ…私もあげないと?
「おめでとうございます。岩倉様」
さて、だだいま、一条の部屋にて、岩倉の誕生日を祝っている。
…生徒会メンバーと共に。
いや、葵ならまだわかるよ?岩倉の意中の相手だから、一条が気をきかせて誘うだろうし。
でも、私はわからん。いや、だって、別にそこまで岩倉と親しくないもん。
あ、この誕生日会は生徒会メンバーが…主に生徒会長がメンバー同士の交流と親交を深めるために計画したもの。
確実参加したい人のみ参加して、やってほしくない人は事前申告しておけば出なくていいやつ。
まあ、生徒会メンバーって妙にこんな友達みたいなやり取りに憧れてるやつが多いから全員参加してるんだけどね。
……………兄さんだけははめんどくさがってたけど。外面てきに参加しないと…!って嘆いていたけど
…それはおいておいて、その憧れとかくみ取ってわざわざ計画する生徒会長は良い奴だと思う。
「ありがとうございます。百瀬先輩も望月先輩もわざわざありがとうございます」
岩倉が微妙に口角を上げ、喜びながら告げてくる。
そんなに嬉しいのかね?
で?なんで私もここにいるの?……いや、わかってるよ?この誕生日会に参加した葵に被害が行かないようにとの防壁でしょ?
一条が言ってたもん。防壁になれー!って。酷いよね。
防壁…そ、れ、はっ!
岩倉の個人的な誕生日会に参加した嫉妬が葵だと向けられる。参加したことを隠してもどこからか漏れる可能性がある。
だから、隠した上で表には私だけが参加したことにし、二重で葵を隠すというわけらしい。
わかりにくい?わからない?私もだ安心して。
まあ、とりあえず、この場に私がいるのは葵のためってこと。
「うんん、岩倉君にはお世話になったしね」
「兄様がお世話になっている後輩ですもの、こちらこそいつもありがとうございます」
葵…打算無しの君は本当に好きだよ……いや、世の中打算無しで来る人だっているから、うん。うん…。
ちなみに兄さんが『お世話してるの間違いだ馬鹿!』とか(心で)言ってるけど無視する。
「百瀬先輩…」
そこまで?……そこまで嬉しいかぁ…
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ららるりな - あははははさん» コメントにきずくのが遅れてしまい申し訳ありません!この作品を拝見していただきありがとうございます!(※idが違いますが同一人物です) (2021年2月23日 13時) (レス) id: 0fefafb472 (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - 草 (2021年1月4日 17時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
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