【実況者】勝つのは愛か、人狼か。【平和組】

2日目ー夜ー ページ8

正直こんな精神が不安定な状況で、申し訳ないが葬式なんて行きたくない
そう思ったが夜に会議がある

誰もまだ３人の死を受け入れられていない

泣きながら話す親の話も頭に入ってこなかった

頭にあるのは唯一つ
人狼ゲームのことだけだった





＊





「・・・これから夜の会議を始める」





P-Pの声が静寂を切り裂く

私たちは夜の公園に集まっていた

時刻は22：40
否、22：40で止まっていると言ったほうが正しい





「人狼は誰だよ！」

「それを今から見つけるんでしょ」

「自分から名乗り出てくるわけないだろ！」





あちこちで言い争いが起こる
全員誰を信じて、誰を疑えばいいかわからないのだから
隣にいる人が、昨日まで普通に話していた友達が、自分の彼女が、
人狼かもしれないのだから





「皆、落ち着いて！」

「落ち着いてられるかよ！人が死んでるんだぞ！」

「だからこそ冷静に考えようよ！」





P-Pの言葉に少しは納得したのか、騒然としていた人達が静かになった
こんな状況だが、P-Pってすごい、と思う





「・・・じゃあ、俺に投票しろよ」

「キヨ！？」





重苦しい雰囲気を断ち切ったのは私の隣にいたキヨだった





「キヨ君、なんで？」

「埒があかねえだろ。俺の犠牲で今日が終わるならそれでいい」

「その考えじゃ納得できんな」





今まで黙っていたレトルトが口を開いた





「確かにキヨ君に投票すれば、今日はええかもしれないけど明日以降も同じことの繰り返しや」

「た、確かに」

「そうよ！」

「何もないキヨ君が死ぬなんてダメだからね！」





レトルトに続いて女子が口々に続ける





「そもそも、キヨ君がそういう時点で市民確定だしね」

「そういうことだね。キヨ君納得した？」

「ああ・・・ありがとな」





つわはすの意見もあり、キヨも納得したようだ
・・・でも、またふりだしに戻った





「仕切っておいて、無責任だと思うけど・・・今の段階ではまだ誰が人狼とか決めつけることができない。だから、今日も自分が怪しいと思う人に投票してほしい」

「・・・仕方ないよな」

「わかった」





渋々といった様子で了承するクラスメイト
各々が携帯を取り出し投票し始める

私も投票しなければ

怪しいと思う人物もいないため、2番の市川さんに入れる




『投票完了

今日の投票で市民に一番疑われている人物は【上坂 かな】です。』




今日もまた、犠牲者が出てしまうの・・・？




【2日目 投票終了】

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